「竹内浩三作品集」を複製 伊勢出身の詩人、中学時代の漫画や小説 三重

【「竹内浩三作品集」複製版のサンプルを紹介する山中さん=伊勢市役所で】

【伊勢】三重県伊勢市出身で太平洋戦争で戦死した詩人、竹内浩三(1921―45年)が中学生時代に書いた漫画や短編小説などを収めた「竹内浩三作品集」を複製するプロジェクトが進んでいる。有志でつくる竹内浩三生誕100年記念事業実行委員会が、印刷業者らによる制作部会を立ち上げ、3月の完成を目指している。

竹内は小学生のころから漫画を描くことが好きで、旧宇治山田中学時代は、同級生らと漫画の同人誌を制作していた。今回複製する「竹内浩三作品集」は、その中学時代の同人誌などをまとめて1冊に製本したもので、風刺画や四コマ漫画、日記、短編小説など肉筆が収められている。竹内の遺族が平成11年に、松阪市の本居宣長記念館に寄贈し、ほかの資料と共に収蔵されている。

複製プロジェクトは、同実行委が、同記念館収蔵の竹内関連資料474点のデジタル化を進める中で決まった。作品集は劣化が激しく全てが公開されていなかったが、複製化すれば、全編見られるようになる。

市内の印刷業者や市教委職員ら制作部会が、昨年10月から複製の作業を進めてきた。原本をカメラで撮影し、画像修正や色調補正を行い、可能な限り原本の風合いに近づけようと紙の選定にもこだわった。

プロジェクトのリーダーで、北浜印刷工業(同市村松町)の山中武さん(52)は「作品集は1冊しかなく、肉筆が感じられる貴重なもの。浩三の創作の原点とも言える作品集を、複製版で多くの人に見てもらいたい」と話している。複製版が完成すれば、閲覧用として同記念館や市立図書館に寄贈する予定。