住民の情報格差解消 度会町が防災行政無線デジタル化 三重

【役場屋上に設置された高規格スピーカー=度会町役場で】

【度会郡】三重県度会町で防災行政無線のデジタル化が完了し、本格的な運用が始まっている。最先端のシステムを導入することで、住民の情報格差解消が期待されている。

緊急防災・減災事業債を活用し、令和2年度から事業費約3億2千万円をかけてすべての機器のデジタル化を整備した。

山間部に位置する同町で、町内に電波が届きにくい状況を解消すべく、移動系無線に「4値FSK方式」を採用し、NTTドコモの電波を利用するIP無線と連動させることで、移動系無線に必要となる中継局の設置を省いた。町によると、この手法の導入は東海3県で初という。

町内90カ所にある子局のうち、防災拠点となる避難所や公共施設付近10カ所に高規格スピーカーを設置。地区遠隔制御装置の導入により、住民らが行う地区の放送も電話から録音して放送することが可能となった。戸別受信機も公共施設や高齢者施設に取り付けたほか、土砂崩れなど危険区域の住民と高齢者世帯の希望者に無償で貸し出した。

防災関連情報はこれまで、登録制メールやLINE(ライン)、ホームページなどで配信していたが、デジタル化整備事業の一環として昨年9月から、テキストや音声で防災行政無線の放送と同じ内容がスマートフォンに届き、繰り返し確認できる「度会町アプリ」を新たに導入。現在までに約550人がインストールしている。

【防災行政無線デジタル化の一環として導入した度会町アプリ。同無線の放送と同じ内容が配信される=度会町役場で】

町みらい安心課の山下喜市課長は「デジタル化で最新の技術を取り入れ、あらゆる伝達手段を駆使することで住民の情報格差がなくなれば。町外で働く人もアプリやLINEを活用し、家族の安心につなげてもらいたい」と話した。