濃厚接触者の検査を縮小 三重県が方針、保健所の負担軽減で

三重県は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて「保健所が逼迫(ひっぱく)しつつある」として、濃厚接触者への検査を絞り込むと発表した。医療従事者や高齢者などを除き、無症状の濃厚接触者には検査を実施しない方針。感染者の行動歴調査も縮小を図る。県は今回の対応を「業務の重点化」と説明している。

県によると、これまでは全ての濃厚接触者に対する検査を原則とし、キットを配布するなどしてきたが、21日以降は症状がある人や同居人、医療従事者、福祉・学校関係者、重症化リスクのある人に限る。

潜伏期間に相当する発症前14日間を対象に実施してきた感染者の行動歴調査も、感染可能期間に当たる発症前2日間に短縮する。これにより、感染経路不明の事例が増える可能性があるという。

また、症状などの定期的な聞き取りも、無症状の濃厚接触者に対しては停止する。「無症状の濃厚接触者には自身で健康観察をしてもらい、体調が悪化した場合は保健所に連絡してもらう」としている。

第5波でも一部の保健所が同様の対応をしたが、一律に対応を変更するのは初めて。感染拡大に伴う保健所の負担増や、感染状況に応じた「柔軟な対応」を可能とする厚労省の通知を踏まえて決めた。

感染症情報プロジェクトチームの栗山武課長は記者会見で、検査対象や行動歴調査を縮小する理由を「感染者の把握や療養先の決定など、県民の命に直結する業務を最優先にするため」と説明した。

県は第六波に備えて保健所に派遣する約350人の県職員を事前に確保していたが、栗山課長は「ほぼ全員を投入しているが、それでも保健所の負担が解消できない状況になりつつある」と述べた。

また、栗山課長は濃厚接触者を特定する業務についても「今後の感染状況によっては絞り込まざるを得ない」と説明。一部の保健所では、特定の範囲を縮小したとみられる事例があることも明かした。