人口減少「大変なことに」 本紙政懇で知事、4月にも対策課設置 三重

【政経懇話会で講演する一見知事=津市大門で】

一見勝之三重県知事は20日、津市大門の津センターパレスで開かれた伊勢新聞政経懇話会の新春特別例会で「強じんで多様な魅力あふれる『美し国』に向けた三重県の挑戦」と題して講演した。県の課題に人口減少を挙げて「このままでは子どもや孫の時代に大変なことになる」と述べ、4月にも人口減少の対策に特化した課を設ける考えを示した。

一見知事は講演で、2065年に日本の人口が8800万人となる予測を示して「人口が減ると、GDP(国内総生産)が低下して国力が衰退する」と述べ、人口減少が国防に与える影響への懸念を示した。

県内でも「人口減少は経済に直結する。減り方を少しでも緩やかにしたい」と説明。「県に人口減少の対策をする課がないことに驚いた」とした上で「組織を設けて4月からしっかりと対応する」と語った。

また、検査体制の充実や臨時応急処置施設の確保、ワクチンの3回目接種促進など、知事就任後に取り組んだ新型コロナウイルス対策を紹介。「医療体制も強化できたと思う。これから試される」と語った。

一方で「感染防止対策を守ってもらわなければ、感染の山が大きくなる」と指摘。県内に適用される「まん延防止等重点措置」について「場合によっては延長しなければならない」との認識も示した。

南海トラフ巨大地震をはじめとする災害への備えは「いつ震災が来るかは分からない。市町と一緒にハードとソフトの両面で対応する」と説明。観光誘客に向けて県の魅力発信に努める決意も語った。

「環境と成長の融合が大事」とし、洋上風力発電の普及に向けた検討を進める考えも示した。一方、石油コンビナートは「今のまま残ることはない。軟着陸の方法を四日市市と一緒に考えたい」と語った。

県内駅が設置される見通しとなっているリニア中央新幹線にも言及。「新幹線の駅や空港がない三重県にとって、リニアを活用しない手はない。全ての県民が利用できるようにしたい」と述べた。

このほか、海上保安庁で勤務した経験を基に、安全保障を巡る問題を日本周辺の海域ごとに解説。地球温暖化にも触れて「温度上昇を抑えなければ、毎年のように災害がやってくることになる」と訴えた。

この日の政経懇話会新春特別例会は、県内の政財界などから約80人が出席。講演後の賀詞交歓会は新型コロナの感染拡大防止のため昨年に続いて中止し、講演の出席者も例年の半数以下とした。