うちわに書画 「松浦武四郎・渋団扇帖」刊行 北海道出版企画センター

【北海道出版企画センターが刊行した「松浦武四郎が蒐めたサイン帳 渋団扇帖」】

【松阪】北海道出版企画センター(札幌市)はこのほど、「松浦武四郎が蒐(あつ)めたサイン帳 渋団扇帖(しぶうちわちょう)」(B5判、165ページ)を刊行した。税込み4950円。

北海道の名付け親として知られる松浦武四郎は幕末明治の探検家。渋団扇帖は、武四郎が知人や友人に頼み、柿渋を塗ったうちわに書画を描いてもらい、帳面に貼り付けた。3冊あり、全147点をカラー図版で収録している。うちわを貼ったびょうぶの前に妻が座る写真も掲載。

制作は武四郎が開拓判官を辞めた1870年から亡くなる2年前の1886年まで。市川団十郎や勝海舟、狩野永徳ら有名人が登場する。

大森貝塚を発掘したエドワード・モースは巻き貝、河鍋暁斎は三味線の演奏で上半身裸で踊る老人をそれぞれ描いている。カタツムリが進んだ跡が署名になっている作品や色砂で固めた砂絵もある。

三重県松阪市の松浦武四郎記念館の山本命学芸員と北海道博物館の三浦泰之学芸員が編集した。山本さんは「工芸資料として珍品かつ貴重」「武四郎が交友した人物を知る上で非常に重要」と解説している。