<みえの事件簿・上>警察官不祥事多発 窃盗やわいせつ行為 職務で得た知識悪用も

今年、三重県内では現役の警察官による窃盗や警察手帳の紛失など、不祥事や不適切事案が多発した。県警によると、4月1日―12月27日時点で、懲戒処分が5人(前年同期比3人増)、懲戒処分より軽い「監督上の措置」が4人(同2人増)。12月20日の県議会定例会の教育警察常任委で、佐野朋毅本部長は「再発防止に向けて職員に対する指導や教育を徹底し、職務に全力で臨み、県民の皆様の信頼回復に努めたい」と陳謝した。

10月11日に津地裁で開かれた判決公判。5―6月の約1カ月間に、菰野町内の住宅やタクシー会社営業所などに侵入し、高級時計や現金を盗んだとして、窃盗や器物損壊などの罪に問われた四日市西署の岩永拓馬元巡査(24)=懲戒免職=に、懲役4年の判決が言い渡された。

複数の自動車の購入などでできた多額の借金の返済期限が迫っており、犯行に及んだという。判決公判で、中村海山裁判官は「職務上得た知識や経験を悪用し、器具を利用したり、力ずくで窓を壊したりするなどして侵入しており、犯行態様は悪質」と指摘した。

9月にあった被告人質問では、警察官になった理由を弁護人から問われた岩永元巡査は「小さいころから多くの人を助けられる警察官になりたいと思っていた。家族や友人も応援してくれていたので、警察官になることができてうれしかった」と語っていた。夢がかない警察官の道に進んだが、自ら道を絶ってしまった。

現役の警察官による不祥事はほかにも起きた。同居していた18歳未満の元養女に、自宅でわいせつな行為をしたとして、津地裁は9月24日、監護者わいせつの罪で30代の元巡査に懲役2年6月、執行猶予4年の判決を言い渡した。

県警はこれまで、5年が経過した職員を対象にした指導教養の徹底を図る「原点回帰教養研修」や、県内18署などに配属された職員の職務に応じた個人指導などに取り組んできた。

相次ぐ不祥事を受け、所属長級の職員に対して部外講師によるハラスメント研修を開いたり、監察官が県内18署を回る巡回指導などさらに対策を行い、コンプライアンスの徹底に向けた取り組みをしている。

警務課の監察担当者は「規律の厳正な保持に努め、再発防止を徹底する」と話した。