<一年を振り返って>衆院選 自民「世代交代」の勝利 野党は厳しい結果に

【衆院選で初当選し、政治資金パーティーに出席する(左から)鈴木氏、石原氏、川崎氏=19日、四日市市安島1丁目で】

「できすぎの結果」。自民党三重県連の幹部は10月31日に投開票された衆院選の結果を、そう振り返る。自民が県内の小選挙区で擁立した候補者四人は、比例復活を含めて全員が当選。前回衆院選で落選した公明の県内候補者(東海比例)も返り咲いた。

自民は「世代交代」を掲げての勝利だった。ベテラン議員が相次いで引退を表明。4区では鈴木英敬前知事が対抗馬に大差を付けて当選し、2区も川崎秀人氏が現職に僅差で勝利。3区では石原正敬氏が岡田克也氏の強い地盤に食い込み、比例復活を果たした。

快挙の自民は〝祝賀ムード〟に包まれている。鈴木氏は当選まもなく、全国放送の討論番組で得意のトークを披露。自民県連が今月19日に四日市市で開いた政治資金パーティーは「想定外の売上げ」(関係者)で、用意した土産が足りなくなったほどだ。

自民の次なる目標は、参院三重選挙区の2議席独占だ。来夏の次期参院選に向け、10月に山本佐知子県議(54)=桑名市・桑名郡選出=の擁立を発表。平成28年の参院選で現職に敗れた山本氏だが、今回の結果を追い風に雪辱を果たせるかが焦点となる。

他方、立憲民主党などの野党勢は自民とは対照的に厳しい結果となった。小選挙区で自民と2議席を分け合った前回選挙とは打って変わり、小選挙区を制したのは岡田氏だけ。2区で8回連続当選を果たしてきた中川正春氏も、今回は比例復活となった。

共産党が4区を除く三つの選挙区で候補者を擁立せず、事実上は立憲の候補者で一本化が図られた状況での敗北。国民民主党県連は立憲の候補者を「推薦」せずに「支持」にとどめるなど、野党が一枚岩とは言い切れない中での戦いとなったことが敗因の一つだ。

衆院選から1カ月がたたずして、芝博一参院議員は今期限りでの引退を表明した。当時の記者会見で引退の理由を問われた芝氏は衆院選の結果を受けた判断ではないと説明。「春から心に秘めていた」などと述べたが、額面通りに受け止める関係者は少ない。

立憲は国民、連合三重、新政みえと参院候補の擁立に向けた協議を進めているが、まだ候補者は決まっていない。決定を急ぐ立憲に、国民からは「日にちを焦るより土俵づくりを重視したい」(金森正県連代表)との声も。「三重県方式」を再興できるかが鍵となりそうだ。