<一年を振り返って>鈴鹿・小中学オンライン授業 1人1台端末での学習 活用力向上も目の疲れ課題

【自宅で担任のオンライン授業を受ける児童ら=9月6日、鈴鹿市高塚町の市立加佐登小学校で】

新型コロナウイルス感染症対策による三重県の緊急事態宣言発出に伴い、鈴鹿市は9月6日―17日まで、臨時休業となった市内公立小中学校計40校で、オンライン授業を実施した。市は令和2年度から1人1台端末での学習に取り組むが、子どもたちが端末を各家庭に持ち帰り、自宅で授業を受けるのは初めて。成果とともに、今後の課題も見えてきた。

初日、同市高塚町の市立加佐登小学校(山田晋司校長、281人)では、クラス単位を基本に授業を実施。5年松組では、22人の子どもたちがのびのびとした表情で各家庭から授業に参加し、運動会のダンス練習や国語の音読などをした。

一方、保護者の就労などにより自宅でのオンライン学習が困難な子どもたちは、各学校でオンライン授業を受けた。

同市和泉町の市立井田川小学校(世古基子校長、145人)では、低学年を中心とした1―5年生の希望者約15人が登校。各教室では担任が授業を実施するため、学年ごとに教室を分け、個々で担任の授業を受けることで、自宅学習の児童と学習環境をそろえた。オンライン授業期間中、市教委は全児童生徒約1万5千人を対象にアンケートを実施。

小学校低学年(1―3年)と高学年(4―6年)、中学生に分け、端末の使い方とオンライン授業について計9項目を質問した。

アンケート結果によると、「端末の使い方に慣れたか」との質問には小学校低学年が96%、同高学年と中学生がそれぞれ97%が肯定的に回答。「またオンライン授業に取り組みたいか」との質問には、小学校低学年で75%、同高学年で67%、中学生で74%が肯定的な回答をしており、市教委は成果として「子どもたちの活用力が向上するとともに、各学校の準備や授業の工夫などが生かされた」と評価する。

一方、目や体の疲れを感じている児童生徒は小学校低学年で59%、同高学年で34%、中学生で58%あり、授業の途中でドリルやワークなどを活用して学習する時間を設定したり、休憩を入れたりするなど健康面での配慮を課題に挙げる。

そのほか「途中で映像が止まって授業についていけないことがあった」「パソコンで打ち込むのが難しい」など個々の記述回答があり、指導内容が児童生徒に定着しているかなど、学習状況を把握し、必要に応じて復習などが要ると分析する。

オンライン授業には、長期欠席児童生徒約290人のうち約半数が参加し、不登校の子どもたちにも変化があった。市教委は「他の児童生徒と同じ条件で参加できることから、オンライン授業へのハードルが低かったのではないか」と推測する。

現在は各学校で希望する長期欠席児童生徒に授業をオンライン配信しており、11月19日現在、小学校で14人、中学校で7人の計21人がオンライン配信の授業を受けている。中には、オンラインで友達の姿を見たことで、実際の登校につながったケースも複数あるという。

今後は不登校児童生徒だけでなく、病気やけがで登校できない児童生徒、特別な支援が必要な児童生徒、教室に入りづらい児童生徒への学習支援などの活用も検討している。

同市議会12月定例議会で、廣田隆延教育長は「今回明らかになった成果や課題を、今後のオンライン授業の充実に生かしていけるよう取り組みを進める」と答弁した。