RDF総括、原案示す 三重県、議会常任委で

【RDF事業の総括について説明を受ける環境生活農林水産常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は15日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委と、予算決算常任委の各分科会を開いた。環境生活部は、RDF(ごみ固形燃料)焼却・発電事業を総括する中間報告書の原案を示した。事業について「持続可能なスキームを作れなかったことは大きな反省点」と結論づけたことに対し、委員から「厳しさが足りない」との指摘が相次いだ。

「安全重視する意識の欠如」

〈環境生活農林水産=野口正委員長(8人)〉
三重県は平成28年にも総括をまとめたが、令和元年9月に事業が終了したことに伴い、改めて総括の策定を進めていた。令和4年度中に最終報告書を示す。

【総括】
総括はRDF貯蔵槽爆発事故の原因を「安全を重視する意識の欠如」と説明。「最大の問題」として、爆発の前年に起きた火災後に安全対策の優先度が低下していたことを挙げた。

構想段階では「無料」とうたった処理委託料が有料となった原因には「見込みの甘さがあった」と認める記述や事故の背景に「情報開示への消極的な姿勢」があったとする見解は、前回の総括を踏襲した。

【文言】
県の総括に対し、杉本熊野委員(新政みえ、4期、津市)は「文言に厳しさが足りない」と指摘。増田行信廃棄物対策局長は「真摯(しんし)に受け止める」とし、修正を検討する考えを示した。

奥野英介委員(草莽、4期、伊勢市)も「RDF事業は負の遺産を残した」とし、県の財政難にもつながったと主張。「良いことなど、ほとんどなかった。そのあたりも明確に示してほしい」と求めた。

県立大設置「慎重な検討を」

〈戦略企画雇用経済=野村保夫委員長(9人)〉
県が進めている県立大の設置を巡る議論に対し、委員から「設置ありきで議論しているのでは」との指摘や慎重な検討を求める声が相次いだ。

【県立大】
服部富男委員(自民党、5期、三重郡)と三谷哲央委員(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)は「設置ありきでは」と指摘。安井晃戦略企画部長は「ありきではない」と返答した。

石田成生委員(自民党、3期、四日市市)も「慎重な検討」を要請。アンケートで設置に賛成した保護者の理由で最多だった「学費が安い」について「それなら県民が負担することになる」と指摘した。

【定数増】
戦略企画部は県立大の設置に関する議論に併せて、県内にある大学の定員増も検討する考えを示した。来年度中にも県内の大学を対象に定員増に対する意向を聞き取る。

県によると、他県の取り組みや有識者会議の意見などを参考に検討することにした。戦略企画部は「必ずしも県立大の設置か既存の大学の定数増か、という二者択一の議論ではない」としている。

ギャンブル依存対策で中間案

〈医療保健子ども福祉病院=田中智也委員長(9人)〉
医療保健部はギャンブル依存症の予防などを目的とした「ギャンブル等依存症対策推進計画」(仮称)の中間案を示した。

【ギャンブル依存症】
三重県によると、計画はギャンブル等依存症対策基本法が平成30年10月に施行されたことを受けて策定。パブリックコメント(意見公募)を経て来年2月にも最終案を示す。

計画の対象期間は来年度からの4年間。「依存症患者や家族が日常生活と社会生活を円滑に営める社会の実現」を基本理念とし、発症、進行、再発の防止や患者らへの支援を基本方針に定めた。

計画は、本人や家族の申告に基づいて公営競技場への入場を制限する制度をパチンコ店にも周知すると明記。相談と治療の体制整備や予防の啓発にも取り組むとしている。具体的な数値目標は定めていない。

全国的な調査を踏まえた県の推計によると、県内のギャンブル依存症患者は約2万7千人に上る。このうち、年に少なくとも1回は医療機関を受診している患者は0・14%にとどまるという。