伊勢市文化財 掃守某畠地売券を追加 平安末期の土地証文 三重

【伊勢市が新規文化財に指定した「掃守某畠地売券」】

【伊勢】三重県の伊勢市は6日、皇學館大学が所有する「掃守某畠地売券(かにもりなにがしはたちばいけん)」を新たに有形文化財(古文書)に指定したと発表した。市文化財保護審議会(石井昭郎会長)の答申を受けて11月29日付で指定したもので、市指定文化財としては106件目となる。

市文化政策課によると、平安時代末期の応徳元年(1084年)、当時の伊勢国度会郡湯田鄕粟野村(現伊勢市粟野町)に住んでいた掃守某という人物が、所有する畑地を高羽江中大夫という人物に売り渡した際に作成された証文で、当時の役所である「度会郡」の印が複数押印されている。元は光明寺(岩渕三丁目)で所蔵していたが流出し、数年前に同大が購入した。

同課の担当者は「歴史的にも古く、具体的な地名ややり取りが分かる貴重な史料」と話している。

史料を研究している同大文学部の岡野友彦教授(60)によると、当時はまだ私人間の土地の売買が公に認められておらず、役所への届け出が必要とされていたという。改ざん防止のために紙面全体に印鑑が押されているのも特徴といい、岡野教授は「指定をきっかけに学生たちの目に触れて歴史を感じてもらう機会が増えたら」と話している。