「飛ぶ鳥が見える」 本紙連載を書籍化 神を祭る場所と山並み解明 三重

【出版された「飛ぶ鳥が見える」】

伊勢新聞社報道部の奥山隆也次長兼松阪紀勢総局長(47)は30日、本紙連載をまとめた「飛ぶ鳥が見える 神を祭る場所と山並み」(税別1万円、164ページ)を同社から自費出版した。神社や古墳からは、鳥が羽を広げて飛び立つような3つ並びの山容が見える事実と意味を明らかにしている。山並みの写真を見開きで大きく載せるためA5判横に造本している。

連載は「飛ぶ鳥が見える」と題し、今年1月1日から6月20日まで20回にわたり掲載。県内を中心に伊勢神宮や熊野三山、宝塚古墳など約40カ所の神社や古墳、遺跡を取り上げた。旧石器、縄文、弥生、古墳時代から飛鳥時代の斎宮跡まで及ぶ。書籍は連載記事の20章に、序章と終章を加えている。

写真は連載に比べ10点ほど多い約50点を載せ、全てカラー印刷。鳥の形を意識すると、山並みが今にも飛び立ちそうに見えてくる。

序章で、「神は『隠れる』、祭るは『待つ』が元の意味なので、『神を祭る場所』は、この世から隠れてあの世にいるものを待つ場所だ。そこでは、あの世とこの世を往還する霊や魂を示す飛ぶ鳥の山並みが見える。彼岸と此岸の言葉通り、間に川が流れている。海の場合もある。分かりやすい」と説明している。

前方後円墳は前方部の先に見え、松阪市の宝塚古墳は鳥羽市の答志島を指す。内宮は五十鈴川越しに前の前山を中心にした山並み。津市の長谷山古墳群からは長野県の赤石山脈の飛ぶ鳥の姿が見える。大阪府の仁徳天皇陵や奈良県の石舞台古墳など近隣府県にも確認に行っている。

著者は「山並みに意味があった。前方後円墳の向きも神社の立地も解ける。魂が鳥のようにあの世とこの世を行き来するわけで、霊魂不死という人類共通の古代観念がある」「発見成果を無断盗用されるという嫌な思いをしないように出版した」と話している。

別所書店修成店(津市修成町)と伊勢新聞社=電話059(224)0003=で販売。ネット通販「アマゾン」でも購入できる。