小林政太郎の鉄瓶を寄贈 玉城町に親族ら 柔軟オブラートを発明 三重

【辻村町長(左)に鉄瓶を手渡す隆さん(右)と厚さん=玉城町役場で】

【度会郡】三重県玉城町の医師で柔軟オブラートを発明した小林政太郎(1872―1947年)の孫にあたる小林厚さん(81)=千葉県=と、厚さんの甥の小林隆さん(59)=大阪府=が15日、玉城町役場を訪れ、発明のきっかけとなった真ちゅう製の鉄瓶を町に寄贈した。

同町で生まれた政太郎は15歳で医師を志して上京し、21歳の時に帰郷して開業。診察の傍ら、苦い薬をもっと飲みやすくできないかと考え、試行錯誤を重ねてデンプンと寒天から柔軟オブラートを生成する方法を開発し、国内や海外で特許を取得した。当時は、せんべい状の硬質オブラートしかなかったため、政太郎の発明した薄くて柔らかいオブラートは世界中に広まったという。

今回、寄贈された鉄瓶は柔軟オブラート発明のきっかけとなったもの。原料となるデンプンと寒天を混ぜた溶液を偶然、長火鉢の鉄瓶の上にこぼしてしまったところ、熱で乾燥してきれいにはがれ、政太郎が理想としていたオブラートが完成した。

鉄瓶は隆さんの家で保管されていたが、親族で話し合い、町への寄贈を決めた。隆さんは「皆さんに見てもらい、大切に預かっていただきたい」、厚さんは「若い世代にも見てもらい、祖父の業績を心に留めてもらいたい」と話した。

辻村修一町長は「鉄瓶は町の宝として大切に保存させてもらう。政太郎の功績を多くの人に伝えていきたい」と感謝した。

鉄瓶は今後、同町田丸の村山龍平記念館に展示される。年明けには政太郎の企画展を開く予定。