尾鍋組の知財戦略紹介 代表取締役、津で講演 中小経営に特許活用を 三重

【講演する尾鍋氏=津市一身田上津部田で】

【津】知的財産に関する市民講座「週末パテントセミナー」(日本弁理士会東海会、伊勢新聞社主催)が12日、三重県津市一身田上津部田の県総合文化センターであり、松阪市飯高町宮前の建設会社「尾鍋組」の尾鍋哲也代表取締役(59)が中小企業の経営者ら約30人を前に特許を活用した経営戦略を語った。

知的財産の知識を深めて中小企業の経営に役立ててもらおうと平成29年から実施。尾鍋氏が「地方の土木会社が知財を活用し、住宅の環境技術を全国展開」と題して講演したほか、同会県委員会に所属する弁理士3人が知財活用の実例を紹介した。

尾鍋氏は講演で、三重大(津市)と共同で独自の地盤改良技術の開発に取り組み、採石を地中に柱状に詰め込む「エコジオ工法」を完成させた経緯やビジネスモデルを紹介。「14年前から技術開発を始め、その間に特許を8件取得した」と語った。

「開発のときは不可能と言われたことをやっていたが、それが今のエコジオ工法のメインになっている」と強調。開発会社の倒産など何度も苦難に見舞われるも「偶然の出会いやダイレクトメール、三重大などいろんな人に支援してもらった」と振り返った。

尾鍋氏は松阪市飯高町生まれ、三重大卒。土木工事の現場監督を経て、父親が経営する尾鍋組に入社した。本年度に知財功労賞特許庁長官賞を受賞。著書に「住宅地盤イノベーション―地方の土木会社が挑んだ17年の軌跡」(合同フォレスト)がある。