<衆院選みえ・攻防の裏側>国民民主党 「独自路線」貫く県連

【街頭演説を行なう金森代表=津駅西口で】

「推薦はできません」。7月に開かれた国民民主党県連と支持産別労組との会合。議題は県内選挙区に出馬する立憲民主党候補者への推薦の是非だった。約4カ月、県連が対応を保留していた案件に、自動車総連と電力総連の県組織関係者が明確に「NO」を示した。

もともと、原発や安全保障など政策面の齟齬(そご)や、共産党への接近から支持労組の立民への拒否反応は生じていた。それでも県連関係者はその強い姿勢に驚いた。「推薦はしない、ではなく『できない』だった。そこに強い意志を感じた」とする。

国民県連には所属国会議員はおらず、3人のベテラン国会議員を筆頭に地方議員らが合流した立民県連とは違い小所帯だ。そんな国民県連に立民側が推薦依頼を出した背景には、集票に向けて産別労組の支援を得たいという狙いもあった。

しかし、その労組からの反対もあり、推薦は見送られた。ただ「応援はしない」など一部強硬意見はあったが、来年夏の参院選も見据え、自民と区別する必要もあるなどの理由で「支持」は打ち出した。

愛知県の選挙区では、全トヨタ労連の支援を受ける候補者が出馬を取り下げた。愛知と言えば連合王国であり、三重とともにかつては民主王国だった。その一報は県内の立民関係者にも衝撃を与えた。

新政みえ県議は「まさかと呆然(ぼうぜん)とした」と話す。選挙活動中だった、元外相岡田克也ですら血相を変え情報収集に追われていたという。

国民県連は昨年8月、国民、立民両党の合流問題が起きた際に、非自民・非共産勢力が大同団結する三重県方式は健在、との大方の予想に反し、合流せずに独自路線を歩むことを決めた。今回の推薦問題もその意志表示の一つと言える。

ただ、「三重県方式」への思いがないわけではない。それを表しているのが県連代表の金森正だ。元県議で衆院議員も務めた金森は「産別の意向が大事」とのスタンスを何より重要視するが、一方で「仲間」の多くは立民にいる。金森は立民との合流を望んでいたとされ、推薦も出したい意向だった。

国民に近い関係者はその「揺れ」は県連だけでなく、党自体にも漂うとし、存在意義が発揮できていないと警鐘を鳴らす。

「あいまいな対応を続けていては新たな支持は獲得できない。このままでは参院選後、党は消滅するだろう」。独自路線は貫いた。しかしその先の姿はまだ見えない。(敬称略)