<衆院選みえ・攻防の裏側>公明党 狙う「3議席目」奪還

【総決起大会終了後、自民と公明候補がそろって支援者らを見送った=菰野町民センターで】

公明党県本部にとって至上命令は、前回選で失った比例東海ブロックでの3議席目を奪還し、元職中川康洋を押し上げることだ。中川は元厚労相で衆院を11期務めた県出身の坂口力の事実上の後継。ただ、比例1位だった党重鎮の坂口とは違い、中川は3位。比例東海で公明が3議席を獲得したのは過去7回のうち3回のみ。創価学会を支持母体に持ち、強固な組織力を誇る同党をしても、3議席獲得は険しい道のりだ。

23日夜に菰野町民センターで開かれた小選挙区に出馬する自民候補と公明党の総決起大会。会場は座席の間隔を空けてソーシャルディスタンスを取りつつ、立ち見が出るほどの盛況ぶりとなった。

応援弁士には自民系の竹上真人松阪市長が駆けつけ、「国交省に橋渡しする人がいなくなった」と公明の県内国会議員不在を嘆いてみせた。両候補者がそろって壇上に立ち、小選挙区は自民候補、比例は公明―が連呼され、ガンバロー三唱で幕を閉じた。

連立政権を組む両党は、小選挙区で公明が自民に協力する代わりに、自民が比例で公明に投票を呼び掛ける“バーター”と呼ばれる手法で共存してきた。「選挙区は自民候補、比例は公明」は街宣や演説会で自民と公明両党の候補がセットで活動する際に発せられるおなじみの光景だ。

中川が衆院に初当選した平成26年選では、県内で比例12万1000票、得票率14・8%を獲得した。一方、前回は約1万票弱減り11万3千票、得票率も1%以上下がり、13・5%と低下した。

今回、悲願の3議席目に向け、得票の上積みを図るには「まずは取りこぼしがないよう党内をきっちり固めたい」と党県本部幹事長で県議の今井智広。その上で「自民の協力が重要」と強調する。

自民県議は「(中川が)前回落選したこともあり、3議席目獲得に向けた並々ならない決意を感じる」とする。公明への協力は選挙区での自民候補の底上げにもつながる。「『比例は公明』の呼び掛けは、これまで内向きの会合でお願いすることが多かったが、今回は外向きにも積極的に呼び掛けるようになった」(同)と変化を強調する。

ただ、今回コロナ禍で街頭演説や個人演説会が減り、活動量が少なくなっている。電話作戦などでの協力も行なわれるが、果たしてどこまで自民側から公明へ比例票が流れるかは、フタを開けてみるまで分からない。

一方の自民も、比例の得票は選挙区候補の復活当選にも影響するため、比例票の上積みは必要だ。さらに、自民と選挙区で対決する立憲民主党候補の関係者に学会関係者がいるなどの理由や、新進党時代からのつながりで、公明票が一定、立民側に流れるケースもあり、自公の選挙協力は一筋縄ではいかない側面もある。

「自民からはこれまで以上にない協力を得ている」と今井は言う。そしてこう続ける。「今回、3議席を獲得できなければ、この先はもう難しいだろう」。自公協力は正念場を迎えている。(敬称略)。