伊勢の明野高 食品廃棄物活用し飼料開発 県内初のエコフィード認証 三重

【養豚飼料「あかりのほろよいMix」の開発に取り組んだ畜産部門の生徒ら=伊勢市の明野高校で】

【伊勢】三重県伊勢市の県立明野高校生産科学科畜産部門がビールの醸造過程で出るモルトかすや日本酒の副産物の酒かすなどを利用して開発した養豚用飼料「あかりのほろよいMix」が、日本科学飼料協会(東京都)の「エコフィード認証」を取得した。県内の畜産業者では初、高校では全国で3例目。食品廃棄物を飼料に活用し、環境に配慮した「持続可能な養豚」を目指す。

エコフィードは、食品製造の過程で出る副産物や食品残さなどの「食品循環資源」を活用した家畜用飼料。日本科学飼料協会が、食品循環資源の利用率が高い飼料をエコフィードとして認証している。

同校畜産部門では、生徒がバークシャー種(黒豚)を肥育し、年間約100頭を出荷。「伊勢あかりのぽーく」としてブランド化し、地元の伊勢屋精肉店で販売している。市内でクラフトビールを製造する「二軒茶屋餅角屋本店」が大量のモルトかすを産業廃棄物として処理していると知り、2017年から、廃棄物削減と豚肉の品質向上を目指し、養豚飼料にモルトかすを活用する研究を開始した。

従来から与えている標準飼料にモルトかすを配合して豚に与え、肥育状態や肉質、飼料コストを調査。栄養価を高めるため、菓子メーカー「マスヤ」、多気町の酒蔵「河武醸造」からも、それぞれ廃棄物として処理されてきたせんべいくずや酒かすを譲り受け飼料に混ぜた。混ぜる割合や配合を変え、5年がかりの研究で食品循環資源を30%利用した飼料「あかりのほろよいMix」を完成させ、認証機関の審査を経て、7月に認証を受けた。

今後も研究を続け、食品循環資源100%の飼料を目指すという。3年生の木内昭吾さん(17)は「先輩たちから研究を引き継ぎ、改良を加えながら取り組んだ。この飼料で育てたあかりのぽーくのおいしさもPRし、地域の養豚農家にも取り組みを広めたい」と話す。

担当教諭の福永敦史教諭(31)は「エコフィードは時代にあった飼料だが、食品廃棄物利用という点でマイナスなイメージを持つ人もいる。未来を担う高校生が取り組むことで、畜産業全体のイメージアップや技術向上につながれば」と話した。