伊勢市長に鈴木氏4選 2期連続の無投票 三重

【「頑張るぞ」コールで当選を喜ぶ鈴木氏(中央)=伊勢市の選挙事務所で】

任期満了に伴う三重県の伊勢市長選は24日告示され、4選に向けて立候補を表明していた現職の鈴木健一氏(45)=勢田町=以外の届け出はなく、平成29年の前回選に続いて2期連続の無投票当選が確定した。

鈴木氏は午後5時前、遊説から戻ると黒瀬町の選挙事務所で待機。午後5時を過ぎて津田裕也後援会長から無投票当選を告げられると、集まった支援者ら約百人に感謝を伝えた。コロナ禍での自粛状況や市議選、衆院選への配慮から万歳三唱をせず、「頑張るぞ」コールで4選を祝った。

鈴木氏は「順当に見えた観光産業はコロナ渦で深い傷跡を残した。まずは観光再生、人口減少社会での地域のまちづくりを皆さんと手を握り進めたい」とあいさつ。防災対策やデジタル化推進に言及し、「うれしいのと裏腹に、課題にしっかり取り組む責任感と使命を新たにした」と話した。

2期連続での無投票当選について「市民の政治参加の機会については考えるべき。まちづくりや市政運営について話す機会を持ちたい」としながらも、「行政のまちづくりについて一定の理解をいただいたと考えている」と述べた。

4期に向けて「観光政策と文化政策の融合を図りたい」とし、伝統文化の掘り起こしと担い手不足の解消に取り組む考えを示した。またコロナとの共生による観光施策を考える必要があるとし、「様々なチャレンジングが必要」と述べた。

駅前再開発事業については、「再開発事業については何とか成功させたいと考えているが、保健福祉拠点の入居についてはスケジュールを含め慎重に対応したい」と述べるにとどめた。

■再開発ビルは一定の着地点を■

告示日直前に急きょ選挙戦の可能性が浮上した伊勢市長選だったが、対抗馬が出馬を取りやめたことで無投票が確定し、現職鈴木氏の4選が決まった。

鈴木氏は3期12年の実績として、市立伊勢総合病院の建て替え工事と医師・看護師不足の解消による医療体制確保や、4年前の台風21号による浸水被害を受けての防災対策、コロナ禍での経済支援策やワクチン接種体制確保などを強調。

4選への具体的な政策として、「withコロナ」「アフターコロナ」を見据えた観光誘客と産業活性化や、次期式年遷宮を見据えた宮川橋の建て替え工事、ICTを活用した「デジタル・スマートシティ構想」を主張してきた。

2期連続の無投票当選は、目立った失策がなく、堅実な市政運営が評価された結果の現れとも言えるが、一方で不安材料はあり、無投票への批判も少なくない。

多額の補助金を投入し、当初は市の保健福祉拠点整備も計画されていた伊勢市駅前の再開発ビルは、未だ見通しが立たないまま完成から半年が経過した。事業者の見通しの甘さに起因するとはいえ、市に対しても責任の所在を求める声がある以上、一定の着地点を模索していく責任はある。