衆院選みえ 候補者・政策アンケート(下)

本紙が衆院選で三重県内の小選挙区に立候補している与野党の10人に実施したアンケートでは、地域活性化への思いや財政への考え方なども尋ねた。候補者ごとに紹介する。

1区

■松田直久候補(67)立元
<地域活性化>
過疎化の進む地域で若い世代の都市部への流出を防ぐための就業環境整備と収入の確保。農林水産業の地域の特色を生かす取り組みなどで活性化を図る。
<脱炭素>
ソーラーシェアリング・洋上風力・小水力などの自然エネルギーによって地域でお金を回し、エネルギー自給を目指す自治体や地域の事業者を支援して、2050年自然エネルギー電力100%を目指す。
<国家財政>
税収は1990年以降伸び悩み、さらに昨年からのコロナ対応で歳出が拡大して財政は危機的な状況にある。確かな税財源の確保や行政需要の変化に応じた予算配分、成長力強化による税収増など、歳出・歳入の改革を行い、中長期的に財政の健全化を目指す。

■田村憲久候補(56)自前
<地域活性化>
自らの政治家としてのテーマである「誰もが活躍できる社会」を地方で実現させる。新型コロナにより東京一極集中が見直されている。これを機に地方への移住、農林水産業の振興や地域経済の活性化による雇用の創出など、ローカル・イノベーションを推進する。
<脱炭素>
2兆円のグリーンイノベーション基金や新技術を普及するための標準化、「改正温暖化対策推進法」に基づいた促進地域の設定による地域にも有益な再エネの導入促進、電動車の普及、充電設備・水素ステーションの導入支援などを図る。
<国家財政>
高齢化・人口減少といった構造的課題を乗り越えるためには、「経済再生なくして財政健全化なし」の考えに立ち、まずは経済の持続的成長を実現するとともに、財政健全化によって将来不安を軽減し、消費や投資がさらに喚起される好循環を実現していく。
■山田いずみ候補(35)N新
<地域活性化>
国土強靭(きょうじん)化と予防医療の充実です。人口減少時代は少子高齢社会が伴っています。介護の世界はしっかりと守る。しかし、今元気な高齢者がいつまでも自活できるよう、筋力向上を主な目的とした健康維持・増進活動を国を挙げて進めるべきです。
<脱炭素>
非常に難しい課題だと捉えています。脱炭素社会を掲げることは当然ですが、どこまでの必然性があるのかの研究や議論をし続けることが大切だと思います。ビジネスや国同士の争いの中に、環境問題が入らないようにしなければなりません。
<国家財政>
国の借金は、地方自治体や各家庭のそれとは異なります。GDPをいかに増やしていけるか、ということに着目すべきです。この20年、米国は2倍、中国は10倍にもなったGDPですが、日本は変わっていないところに今の政治の失敗があります。

2区

■中川正春候補(71)立前
<地域活性化>
都市部に集中する企業の本社機能の地方移転。地方で子どもが育ち、学べる環境の整備促進と働き方改革の推進。働く世代や子育て世代が、多拠点生活など柔軟な住み方・暮らし方を選択できるようにし、少子化の克服、地域の活性化につなげていく。
<脱炭素>
カーボンニュートラル(脱炭素)は原発に依存せず実現するのが目標。自然エネルギーによる発電を2050年に100%にする。自然エネルギーの電力が最大限活用できるよう送電網を国の事業で整備。小水力や風力発電の推進でエネルギーの地産地消を進める。
<国家財政>
量的緩和の出口戦略を早急に立てる必要がある。国家財政は、アベノミクスのようにカンフル剤的な金融政策で誘導するものではない。中間層を分厚くし、可処分所得を増やし、消費を拡大する。富裕層や超大企業に応分の税負担を求めることで税収を増やす。
■川崎秀人候補(39)自新
<地域活性化>
大学の入学とともに進んでしまう東京一極集中を止める。大学を含めた若者に魅力ある地域づくりを目指す。
<脱炭素>
再生エネルギーを主力電源と位置付け、最優先の原則のもとで最大限の導入に取り組む。
<国家財政>
経済再生なくして財政健全化なしとの方針の下、金融政策、財政政策、成長戦略によって経済成長を実現し、成長の果実を分配することで、さらなる成長を実現する必要がある。

3区

■岡田克也候補(68)立前
<地域活性化>
北勢地域は、自動車・半導体産業の依存度が高く、競争力や雇用を守るための国主導の適切な産業政策構築が必要。
<脱炭素>
気候危機対策は次世代に対する責任。岸田政権で無策だった安倍政権時代に戻る可能性が大きい。立憲民主党の2030年までの具体策を全面的に受け入れるべき。
<国家財政>
財政健全化こそ、次世代のために政治が取り組まなければならない最重要課題。現状は、日本の財政は世界に類を見ないほどの危機的状態。財政健全化なくして、持続的な経済成長はなく、強い危機感と覚悟を持つべき。
■石原正敬候補(49)自新
<地域活性化>
社会資本整備による生産性向上と観光振興
<脱炭素>
自然エネルギーの利活用拡大、代替エネルギーの確保
<国家財政>
現時点ではプライマリーバランスを優先すべきではない。

4区

■中川民英候補(54)共新
<地域活性化>
持続化給付金、家賃支援金の再給付と共に協力金、支援金などの拡充と迅速化を行う。中小企業の維持・発展を底支えする。米価大暴落を止め、農林水産業を守る。文化・芸術関係者に国費数1千億円単位で支出して「文化芸術復興創造基金」を抜本的に強化する。
<脱炭素>
まず二酸化炭素の削減目標は、2030年までの50―60%削減とする。省エネと再生可能エネルギーの組み合わせで推進する。そのための具体的なプランは、電力、産業、運輸、都市、住宅など社会のあらゆる分野の大改革を具体的に進める。
<国家財政>
コロナ対策は緊急かつ臨時的な国債の増発で財源を確保する。消費税減税、社会保障の拡充、教育費の負担の軽減は恒久的財源が必要。大企業優遇税制を見直し、法人税を中小企業を除き28%に戻す。富裕税、為替取引税、軍事費などの恒久財源で財政を立て直す。
■坊農秀治候補(49)立新
<地域活性化>
観光が基幹産業の一つ。地元に根付く宿泊業、土産物店、レジャー施設などが存続出来るよう観光客誘致に向けた民間の取り組みを支援。また、第一次産業も地域の大切な産業。農業者への戸別所得補償の復活、漁業者・林業者への所得補償の拡充などを進める。
<脱炭素>
自然エネルギーによる発電の普及を加速させる。太陽光、風力の施設は、周辺住民の健康や自然、景観の維持を優先。小水力発電、地熱、波力、バイオマスなどの導入も推進。電動自動車の普及、鉄道・バス通勤の推奨など、CO2削減への取り組みを支援する。
<国家財政>
コロナ禍という100年に一度あるかないかの事態であり、経済の立て直しと暮らしや生業を日常に戻すことを財政再建より優先させるべき。まずは富の再分配と時限的な消費減税で消費の拡大につなげる。プライマリーバランスの黒字化という目標は凍結すべき。
■鈴木英敬候補(47)自新
<地域活性化>
米価対策、茶業振興、柑橘業労働力対策、基盤整備、人材確保・販路開拓などによる漁業振興、林業人材確保・木材利用推進、GoToトラベル早期再開、持続可能な観光地。地域医療・子育て・教育の充実。防災・減災・国土強靭化やデジタルの推進。過疎対策。
<脱炭素>
2050年グリーンカーボンニュートラル実現に向け、企業や国民が挑戦しやすい環境を作るため、国として具体的な見通しと高い目標を掲げ、2兆円基金、投資促進税制、規制改革などあらゆる政策を総動員していく。
<国家財政>
財政の単年度主義の弊害を是正していきたい。企業に長期的な視点を求めることと同様、政府も、科学技術の振興、インフラ整備や経済安全保障などの国家課題に長期的、計画的に取り組むことが重要と考える。