前田菊叢の功績紹介 伊勢亀山藩興学の祖、郷土史家・八木氏が講演 三重

【あいさつをする前田利隆さん(左)と全集の著者八木氏=亀山市東御幸町の市文化会館で】

【亀山】三重県亀山市東御幸町の市文化会館内にある「コミュニティCafeぶんぶん」(林千代店長)は21日、同館で歴史講座「KAMEREKI学びぃ~舎~」を開き、市民ら20人が参加した。

講座は、郷土史家の八木淳夫氏(69)=同市江ケ室1丁目=が編集した、亀山にゆかりのある「前田菊叢(まえだきくそう)全集」全3巻(非売品)の発刊を記念して開催。八木氏が、30年の年月を費やし膨大な古文書の史料を基にした編集から発刊に至るまでの苦労や、全集に記した内容などについて講演した。

延宝元年京都生まれの前田菊叢氏は江戸前期、伊勢亀山藩興学の祖と呼ばれ、後の亀山藩主となった淀藩石川家に召し抱えられていたという。養孫の冬蔵は、現在の市立亀山中学校にあった「伊勢亀山藩校明倫舎」の初代学頭(校長)。

八木氏は、全集に記した落款(らっかん)や朝鮮通信使と筆談した資料のほか、古文書の写しなど菊叢氏の功績を紹介。「70歳までに全集をまとめるには時間が足りないと思い、52歳で高校教諭を退職した」とし、「家族の理解と支えがあって完成させることができた」と語った。

この日は、菊叢氏の血筋を引く前田家9代目の前田利隆さん(73)=同市天神1丁目=も出席し、「わが家の物置の木箱に眠っていた菊叢氏の『古文書』が、八木さんの研究に役立ち、本として多くの人の目に触れることに感謝します」とあいさつした。