三重県議会常任委 5駐在所を統廃合 「限られた予算で建て替え」

【駐在所の統廃合について説明を受ける教育警察常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は21日、戦略企画雇用経済、防災県土整備企業、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県警は教育警察常任委で、5つの駐在所をそれぞれ別の交番や駐在所と統合して廃止する方針を示した。廃止の理由は駐在所の老朽化に加えて「限られた予算で効果的な建て替えを進めるため」と説明。廃止の時期は明らかにしていない。

〈教育警察=田中祐治委員長(8人)〉

5つの駐在所を統廃合する県警の方針に対して廃止の明確な基準を提示するよう求める声が委員から上がったが、県警は「一律の基準はない」と説明した。

【駐在所】
県警によると、廃止の対象となったのは、いなべ署白瀬▽津南署八ツ山▽松阪署朝見▽鳥羽署片田▽尾鷲署賀田―の各駐在所。それぞれ隣接の駐在所や交番と統合する。

将来の人口や事件事故の発生率、最寄りの警察署などとの距離、老朽化の程度を踏まえて統廃合の対象を選定。県内では全体の約4割に当たる78の交番と駐在所が耐用年数を超えているという。

谷川孝栄委員(草莽、3期、熊野市・南牟婁郡)は「駐在所は地域住民にとって安心のよりどころ。駐在所がなくなれば、人口減少や疲弊感に拍車を掛けてしまう」と指摘。住民への丁寧な説明を求めた。

佐野朋毅本部長は「駐在所の再編は断腸の思い。他方で限られた予算や治安情勢などを勘案しなければならない」と説明。「再編した場合でも、パトカーの巡回などで工夫したい」と理解を求めた。

〈戦略企画雇用経済=野村保夫委員長(9人)〉

外出自粛などの影響で売り上げが落ち込んだ中小法人や個人事業者への支援金を盛り込んだ約5億円の一般会計補正予算案を全会一致で「可決すべき」とした。

【電子申請】
国が支援金の申請をインターネットで受け付けていることについて、石田成生委員(自民党、3期、四日市市選出)は「申請が難しい事業者もある」とし、県に支援を求めた。

これに対し、島上聖司雇用経済部長が「事業者には自助の部分もある」と返すと、石田委員は「ちょっと冷たい」と指摘。島上部長は県の支援金を書類で受け付けていることを紹介して理解を求めた。

【採択率】
今井智広委員(公明党、4期、津市)は、コロナ禍で生産性向上や業態転換を計画する事業者を対象に県が実施した補助金事業の採択率が50%程度にとどまった理由を尋ねた。

県当局の担当者は「予算が足りずに不採択になってしまった部分もある」と説明。一方、島上部長は「予算が足りなかったから採択しなかったのではなく、申請の内容が水準に達していなかった」と述べた。

〈防災県土整備企業=山崎博委員長(8人)〉

県は建設業で技能者の就業履歴や資格などをICカードに記録する「建設キャリアアップシステム(CCUS)」の導入を促進するため、全国で初めて入札の参加要件に設定すると明らかにした。

【CCUS】
県によると、CCUSは事業者や技能者の情報を登録するシステムで、全国の建設業界で導入が進む。技能者は建設現場でカードリーダーにICカードをかざし、就業履歴を記録する。

技能者を4つのレベルに分けて評価。適正な評価で技能者の賃金を向上させ、意欲を高める。事業者は施行体制台帳や社会保険加入状況の管理が容易になる。

県内でCCUSに登録している事業者は9月末時点で20・1%にとどまり、全国平均を1・3ポイント下回っている。県内で登録を促すため、10月以降に実施する土木一式工事をモデル工事に位置づけ、元請事業者がCCUSに登録することを入札参加条件とした。

モデル工事の対象は予定価格が7千万円以上の土木一式工事。カードリーダーの購入費とシステムの利用料は県費で負担する。12件ほどの実施を見込む。