<三重選挙区・4区を行く>新人3氏が激突へ

自民の三ツ矢憲生氏が引退し、三重県内で唯一新人同士が激突する。前県知事で自民の鈴木英敬、元津市議で共産の中川民英、元民放アナウンサーで立憲の坊農秀治の3氏による3つどもえの戦いとなる見通し。

いずれも4区内の出身者ではない「よそ者」(地元関係者)で、地盤が十分に固まっていない中での戦い。抜群の知名度を誇る鈴木氏に対し、候補者を一本化していない野党の2氏で票の分散が懸念される。

衆院選への出馬は2回目となる鈴木氏。野党候補に惜敗した平成21年の衆院選とは異なる選挙区から国政に再挑戦する。知事職を3期10年務める間に積み上げた知名度を生かして選挙戦を展開する。

先月12日付けで知事を辞職し、直後の3連休から本格的に活動を開始。伊勢志摩サミット(主要国首脳会議)を誘致した実績などから「沿岸部や島しょ部では地域活性化への期待が大きい」(自民県議)。

一方、鈴木氏がコロナ禍の非常時に知事を任期途中で辞職して立候補したことには「一定批判もある」と自民県議。他候補による批判票の取り込みを警戒しつつ、自民県連幹部は「大勢に影響はない」とみる。

対する野党。4区は今回の衆院選で県内で唯一候補者を一本化していない。保守層の厚い選挙区であるため「少しでも票の上積みを図りたい」(立民系県議)というのが本音だが、実現しなかった。

野党で反自民票を食い合うことが予想されるため、中川氏は「温室効果ガスの削減」などの政策を打ち出し、差別化を図る。陣営幹部は「共産の政策そのものにどれくらい共感してもらうかが重要」とみる。

共産県委員会幹部は「反自民の受け皿になれるのは共産党だ」と強調。鈴木氏が立候補した過去の知事選で野党が自民と相乗りするのを良しとせず、必ず候補者を立てて対決姿勢を示してきた自負がある。

他方の坊農氏は地元の民放アナウンサーとしてテレビで活躍していたが、知名度は鈴木氏に劣る。「有名だからといって正しいとは限らない」(陣営幹部)として格差是正などの政策を訴え、支持拡大を図る。

空中戦を見据え、動画投稿サイト「ユーチューブ」に専用チャンネルを開設。同じくチャンネルを開設する鈴木氏に、陣営幹部は「元アナという職業を前面に押し出してニュース番組風にする」と対抗心を燃やす。