<衆院選三重選挙区・2区を行く>県内屈指の激戦区

自民前職のベテラン、川崎二郎氏=比例東海=が引退。二郎氏の長男で秘書を務めてきた自民新人の秀人氏と、元文科相で九選を目指す立憲前職の中川正春氏による一騎打ちの見込みとなっている。

前回選挙では区割りが大幅に変わり、閣僚経験者同士が激戦を繰り広げた。今回も県内屈指の激戦区となる見通しだ。関係者によると、一部情勢調査では今回も「ほぼ互角」との結果が出たという。

今回が初の出馬となる秀人氏。前回選挙で二郎氏が中川氏に敗北したことを踏まえると、父親の地盤を引き継ぐだけでは厳しい状況だ。大票田の鈴鹿市で得票の上積みを図れるかが勝敗の鍵を握る。

7月の出馬表明からは、鈴鹿市内を中心に活動を展開。二郎氏は小泉進次郎前環境相らに「秀人をよろしく」と託したという。16日には早速、野田聖子地方創生担当相が来県して応援演説に立った。

日頃の活動からは、対抗馬への強い意識が垣間見える。秀人氏が強く訴えるのは「世代交代」。ツイッターなどのSNS(会員制交流サイト)を駆使して「若返り」を有権者にアピールする狙いだ。

街宣では「立憲=共産党との闘い」と書いた旗を掲げて野党共闘を批判。「選挙区内の亀山にリニア中央新幹線の駅ができる。立憲はリニアに反対する共産と手を組んだ」(陣営幹部)という筋書きだ。

他方の中川氏。支援者らは秀人氏の「世代交代」に「世襲だろ」と皮肉るも、中川氏自身は「意識していない」と動じない。「相手の土俵では戦わないという強い思いから」(陣営関係者)という。

激戦だった前回を考慮してか、前職でありながらも地道な活動に努める。先月からは、広場などに支援者を集めて「青空懇談会」を開催。若者の支持を奪われまいと言わんばかりに、SNSでの発信にも励む。

ただ、懸念されるのは鈴鹿市内を中心とした労組の動向。前回参院選は野党候補の得票が鈴鹿市で与党候補を下回る結果に。愛知では今月、トヨタ労組の組織内候補が衆院選不出馬を表明して激震が走った。

自動車系労組には「推薦を依頼しているが、今のところ未定」と立憲県連の幹部。中川氏を支援する県議は「今回は厳しい戦いになる」と気を引き締める。これまでの支持をつなぎとめられるかが焦点だ。