<衆院選三重選挙区・1区を行く>衆院経験者2人が対決

三重県内の小選挙区で唯一、衆院議員経験者同士が対決する。菅政権で厚労相を務めた自民前職の田村憲久氏が9選を果たせるか、前回選挙で惜敗を喫した立憲元職の松田直久氏が返り咲けるかが焦点となる。

田村氏は厚労相として新型コロナの対応に当たり、新聞やテレビが取り上げた機会は数知れず。全国的にも知名度が高まったことは言うまでもなく、地元からは「次は総理か」との声さえ上がる。

そんな田村氏だが、選挙態勢は決して盤石というわけではなさそう。厚労相の就任後は一度も県内に戻ることができず、支持拡大に向けた活動は事務所のスタッフらに託さざるを得なかったという。

閣僚経験者として「引っ張りだこ」ということもあり、選挙期間中も候補者応援で全国を巡る予定。陣営関係者は「各地から多くの要請が入っている。県内には、ほとんどいないかもしれない」と明かす。

前回選挙で両氏の得票は僅差だった。津市内に至っては、わずか67票差。松田氏の惜敗率は0・858と、自民で比例復活を果たした2区の川崎二郎氏(0・855)をも上回るほどだった。

ただ、松田氏は旧民進と旧希望の合流騒動で無所属の選択を余儀なくされたことから比例復活はならず。当時は支援労組のフル回転などによって中盤から大幅に巻き返したが、松阪市内で伸び悩んだ。

前回の結果は両氏の政治家としての明暗を分けたと言っても過言ではない。田村氏とは対照的に、松田氏はこの4年、地道な活動をこなし続けた。ある支援者は「松田さんに光が当たる場面はほとんどなかった」と振り返る。

一方、前回と大きく異なるのは党の公認を得ているということ。「有権者の感触は良い」と陣営関係者。田村氏より一足先に街宣を始め、勝敗の鍵となる松阪市でも県議や市議の応援を得て活動に励む。

1区には、NHK党新人の山田いずみ氏(35)も立候補を予定する。浮動票の行方が選挙結果を左右する情勢で、衆院解散の前日に立候補を表明した山田氏が田村、松田両氏の得票に与える影響も注目される。