父親暴行死、男に懲役5年判決 津地裁

三重県鈴鹿市の自宅で同居していた父親=当時(71)=を殴る蹴るなどして死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた無職男(48)の裁判員裁判の判決公判が8日、津地裁であり、四宮知彦裁判長は懲役5年(求刑懲役6年)の判決を言い渡した。

四宮裁判長は判決理由で、被害者の被告に対する対応や言動に配慮を欠いた面があり、自宅内で疎外感を味わって精神的苦痛を受ける状況があったなどとする一方、「解決策を模索することもなく、被害者に対する不満から怒りの感情を高ぶらせて暴力に出たことは非難を免れない」と述べた。

弁護人は被告が交通事故で高次脳機能障害となり、善悪に従って行動する能力はやや減弱していたと主張していたが、四宮裁判長は「量刑を大きく左右するほどの事情とはならない」と退けた。

判決などによると、父の意向で被告の食事が用意されなくなるなど疎外され、父からの小言や文句に不満を募らせた末、2月18日午前3時ごろ、父の顔面を左右の拳やリモコンで多数回殴り、腹部を足で蹴る暴行を加え、同19日に外傷性ショックで死亡させた。

津地裁は刑事訴訟法に基づき、父と被告の双方とも匿名で審理した。

判決後、裁判員が記者会見した。補充裁判員を務めた男性(51)は「母親やきょうだいはできることはあったのではないか。被害者と関わらない形で食事を提供したり、被告に声をかけたりするなど何か手だてはあったのではないか」と話した。