松阪地域 風力発電計画の環境配慮書 知事意見を公表 中止か抜本的見直し 三重

三重県の松阪市飯高地域と大台町境の蓮(はちす)ダムを中心とした山地に国内最大規模の風力発電所を建設する計画について、県は28日、事業者の計画段階環境配慮書に対する知事意見を公表した。事業実施想定区域の全域が自然公園内で、希少生物の生息が確認されていることから「事業計画を中止するか、事業実施想定区域の抜本的な見直しが必要」との厳しい見解を示した。

県環境影響評価委員会が審議し、22日に答申。答申を踏まえて知事意見を作成し、28日付で事業者に送付した。県によると、環境影響評価法に定められた手続きで最初の段階に当たる配慮書で、県が計画の中止や抜本的な見直しを求めるのは異例という。

知事意見では、事業実施想定区域に国の特別天然記念物に指定されるニホンカモシカなど希少動物の生息が確認されていると説明し「自然的・文化的な観点から、保全優先度が極めて高い地域」と指摘した。

その上で、配慮書は重大な環境影響の回避や低減の検討が「自然環境保全の見地から十分実施されているとは言い難い」と指摘。生態系への影響が大きい区域の除外や設置する風力発電機の削減などを求めた。

また、想定区域は奈良県境から約1キロの距離に位置し、奈良県側にも登山道があることから「今後の手続きでは奈良県に対し、環境の保全の見地から意見を求めるように努めること」も事業者に要請した。

県によると、建設が計画されているのは「三重松阪蓮ウィンドファーム発電所(仮称)」。再生可能エネルギーを手掛ける「リニューアブル・ジャパン」(東京都港区)を母体とする合同会社が配慮書を提出した。

配慮書などによると、蓮ダムを中心とした約7434ヘクタールに高さ183メートルの風力発電機を最大60基建設する予定で、総出力は最大25万1000キロワットを見込む。想定区域は香肌峡県立自然公園と奥伊勢宮川峡県立自然公園、室生赤目青山国定公園の3つにまたがっている。