県内基準地価 商業地で下落率拡大 30年連続、下げ止まらず 三重

【2年連続で商業地の上昇率トップとなった桑名市寿町2丁目】

三重県は21日、7月1日時点の基準地価を発表した。県内の対前年平均変動率は住宅地が29連続、商業地が30年連続で下落。下落率は住宅地が横ばい、商業地が拡大した。昨年から続く新型コロナウイルス感染症の影響で、商業地は客足の回復が難しく、悪化している一方、住宅地では人気のエリアを中心にコロナ以前の状況に改善し、回復基調がみられる。
■住宅地
 平均変動率はマイナス1・6%で、下げ幅は前年から横ばい。全国順位は3つ下げて44位となった。調査対象のうち、上昇したのは1地点だけで、前年より13地点少なく、大幅に減少した。

1平方メートル当たりの平均価格は、前年より300円安い2万8200円。最高価格は16年連続で津市大谷町(9万9千円)だった。津駅に近い高台で、前年から横ばい。9年ぶりに価格の上昇が止まった。

調査地点のうち、唯一上昇したのは桑名市松並町二丁目。上昇率は0・4%で前年より0・7ポイント低下したが、昨年に続き、2年連続でトップになった。桑名駅に近い高台の住宅地で需要が根強い。
■商業地
平均変動率はマイナス1・6%で、下げ幅は前年より0・3ポイント拡大。全国順位は10下げて41位となった。85地点のうち80地点で下落。上昇地点は前年より10地点少ない1地点にとどまった。

1平方メートル当たりの平均価格は前年より700円安い6万2300円。最高価格は11年連続で、四日市市安島一丁目で、前年と同じ28万9千円だった。近鉄四日市駅に近く、高い集客力を背景に、店舗やオフィスの需要を維持した。

唯一上昇したのは、桑名市寿町二丁目。上昇率は0・8%で、前年より0・9ポイント減となったが、前年に続き2年連続でトップとなった。桑名駅周辺の整備事業で需要が堅調に推移している。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響で、飲食店が多いエリアを中心に地価が下落。観光客の減少で宿泊施設が集積しているエリアでも下落が目立った。
■工業地
平均変動率はマイナス0・3%で、下げ幅は前年より0・2ポイント縮小。下落幅は2年ぶりに縮小した。高速道路のインターチェンジに近い内陸部の物流施設用地の需要が堅調で、新型コロナの影響は限定的だった。

調査に当たった県地価調査分科会の片岡浩司代表幹事は、住宅地について「昨年と比べて悪化している地点もあるが、人気のエリアを中心に回復傾向が堅調な兆しがみられる」とする一方で「臨海部や内陸部の限界集落は弱く、二極化が進んでいる」と述べた。

商業地については「中心市街地の繁華街を中心に下落率が拡大しているところも多く、まだ改善の動きがみられない」と説明。「飲食店以外の商業地や駅前のような集客力が高いところはアフターコロナを見据えたニーズが出てくる」との見通しを示しした。