クラフトビール缶でも販売 伊勢の二軒茶屋餅角屋、あすから全国で 三重

【新発売する缶のクラフトビール「ISEKADO」三種=伊勢市下野町の伊勢角屋麦酒下野工場で】

【伊勢】クラフトビール「伊勢角屋麦酒」を製造販売する三重県伊勢市神久の二軒茶屋餅角屋本店は、自社製造の缶入りクラフトビール「ISEKADO」三種を、21日から全国で発売する。これまで瓶入りの生産を続けてきたが、消費者の「缶ビールを製造してほしい」との声に対応し、同社下野工場(同市下野町)に、新たに缶ビールの製造ラインを設備した。首都圏を中心とした駅のコンビニなど全国に販路を広げ、海外輸出にも力を入れる。

発売するのは、人気の看板商品「ペールエール」(380円)、伊勢の森から採取したオリジナル酵母を使った「ヒメホワイト」(380円)、濃厚な味わいの「ヘイジーIPA」(569円)の3種。従来からの瓶製品に比べ軽量で、常温で輸送、販売ができる利点がある。今後、瓶製品も続けながら、缶製品を増やす計画。

伊勢角屋麦酒は、老舗の餅菓子店として知られる同社の21代目鈴木成宗社長(53)が、平成九年から生産に乗り出した。当初から、世界で通用する高品質を目指して研究開発を続け、クラフトビールの国際コンテストで受賞を重ねてきた。

数々の銘柄を開発し販売してきたが「瓶は処理に困る」「重い」「冷蔵庫に入らない」という声が以前からあった。また、コロナ禍で増加する自宅でビールを楽しむ人の需要があるとみて、総額2億円をかけて製缶設備の導入に踏み切った。設備投資が高額なため、自社で缶ビールを製造するクラフトビール会社は、地方では数少ないという。

【新たに導入した缶ビール製造設備を紹介する鈴木社長=伊勢市下野町の伊勢角屋麦酒下野工場で】

ビールの品質を損なわないよう工場内に専用のクリーンルームを新設し、高性能なイタリア製缶充填機を採用。感染症の世界的なまん延で、機械の設置にあたるイタリア人技師が来日できず、オンラインで現地とつなぎながら同社スタッフが調整を行い、発売にこぎつけた。

コロナ禍による取引先の飲食店の休業などで、同社も一時期は大打撃を受けたが、ネット販売を強化し売り上げを延ばしているという。鈴木社長は「これからより多くの人に飲んでいただける。ビールは生活必需品ではないが、コロナ禍の息苦しい生活の中にこのビールがあることで場が和み、大勢の人が笑顔になってくれたらうれしい」と話した。

県内ではスーパー「ぎゅーとら」各店やイオンモール津南、近鉄百貨店四日市店などで販売される。

問い合わせは同社電話0596(63)6515=へ。