<コロナ禍の知事選(下)>投票率低下を懸念 選管も感染対策苦慮

【投票を呼び掛ける知事選の啓発ポスター=三重県庁で】

三重県知事選で新型コロナの対策に苦慮しているのは、立候補者だけではない。県選管や各市町の選管は有権者に感染症対策を万全にした上で投票を呼び掛けつつ、コロナ禍での投票率低下を懸念する。

県選管が最も注意を払うのは、投票所の感染防止対策。全ての投票所に消毒液を設置し、扉や窓は常に開放するよう市町の選管に依頼。有権者には期日前投票を積極的に利用するよう呼び掛ける。

各市町の選管は対策に工夫を凝らす。津市選管は投票所で有権者同士の距離を確保するため、一部の記載台にテープを貼って使用を制限。これまでは記載台に置いたままにしていた鉛筆も使い捨てにした。

四日市市選管は「密」を避けるための取り組みとして、期日前投票所の混み具合を知らせる「混雑状況可視化サービス」をホームページに掲載。「すいている時間を選んで投票に行ってほしい」と呼び掛けている。

選管が投票所などの感染防止対策に努める一方で、懸念されるのが投票率の低下。知事選の投票率は平成23年4月から3回連続で低下し、31年の前回は過去5番目に低い46・68%にとどまった。

感染拡大が投票率の低下に拍車をかける可能性もある。知事選の投票日は緊急事態宣言の期間中。連日にわたって百人以上の感染が判明する状況を受け、有権者が投票のための外出をためらうことも考えられる。

他方、期日前投票は好調だ。5日までの投票者は6万301人で、ペースとしては前回選挙の約1・4倍に上る。ただ、県選管の担当者は「最終的な投票率がどうなるかは分からない」と語る。

また、県選管は投票所を訪問できない感染者について、投票方法の特例を定めた法律に基づいて、郵便での投票を可能としている。ただ、有権者からの申請は「1件だけ」(津市選管)などと、低調のようだ。

投票率を向上させるための啓発にも課題がある。県選管は恒例のティッシュ配りを中止。前回の知事選では学生らの啓発動画を発信していたが、今回は急だったこともあって間に合わなかったという。

このため、県選管の啓発はインターネットが中心。ツイッター、インスタグラムといった若者向けのSNS(会員制交流サイト)や大手検索サイトへのバナー広告などを通じて投票を呼び掛けている。