三重県 国体中止を申し入れ 日本スポ協などと協議へ コロナ拡大「苦渋の決断」

【記者会見で、国体の中止を申し入れたと発表する鈴木知事=三重県庁で】

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、三重県は21日、今秋の三重とこわか国体と三重とこわか国体(全国障害者スポーツ大会)を中止する方向で、日本スポーツ協会、文部科学省、日本障がい者スポーツ協会に協議を申し入れると発表した。近く三者との協議に入る見通し。延期するかどうかは改めて判断する。鈴木英敬知事は21日の緊急記者会見で「苦渋の決断だった」と述べた。

県内で1日当たりの新規感染者数が1週間で約3倍に増加したことや、政府に緊急事態宣言の発令を要請したことなどを踏まえた対応。「対策を追加しても安全安心に開催できない可能性がある」と判断した。

県によると、延期する場合は中止の決定から1カ月以内に申請する必要ある。県は中止が決まれば実行委員会の総会を開いて延期の是非を協議する方針。延期の場合は令和9年の開催を見込んでいる。

鈴木知事は会見で「断腸の思い、苦渋の決断で中止を申し入れた」とした上で「人生をかけて努力を重ねてきた選手や懸命に支えた保護者や指導者、楽しみにしていた皆さんに心からおわびする」と陳謝した。

中止を申し入れた理由については「この1週間、経験したことのない驚異的、爆発的な感染が県や全国を襲い、不安を抱く競技団体も出てきた。県民の命を守り抜く強い思いから今回の決断に至った」と語った。

開幕まで約2カ月間の余裕がある障害者スポーツ大会も同時に中止を申し入れた理由については「(感染収束の)楽観論に立つ根拠はない。ぎりぎりでの判断は避けたかった」などと説明した。

延期に対する県の意向は「予断を与えてしまう。準備や財政のこともある」などとして表明を避ける一方で「競技団体の多くが延期を求めている。市町や県議からも延期を求める声が上がっている」と語った。

県は17日、三重とこわか国体の全競技を無観客にすると発表。当時は9月25日の開会式までに開く予定だった4競技は開催し、開会式後の34競技は9月4日時点で開催可否を判断する方針を示していた。

国体の中止が決まれば、昨年の鹿児島国体に続いて2年連続。鹿児島国体は令和5年の延期が決まっている。全国障害者スポーツ大会の中止は台風接近で断念した茨城大会以降、3年連続となる。