<三重高夢の舞台へ夏の甲子園(下)>「総合力が向上」 堅守に磨き、つなぐ打線も

【三重大会優勝を果たし仲間から胴上げされる三重の池田彪我主将=7月、四日市市営霞ケ浦球場で】

昨年度、秋季高校野球県大会を制した三重高校(松阪市)だが、本年度の春季大会は県大会初戦で姿を消した。

沖田展男監督は「選手個々の技術力は高いが、個人プレーになってしまい、総合力不足だった」と当時のチームを振り返る。投手が打たせて野手が守ること、失点してもそれ以上に得点すること、打者の出塁を進塁、得点につなげることなど、「総合力」を意識して練習を重ねてきた。

守備力向上のため、キャッチボールには特に力を入れた。投手でも野手でも、暴投は進塁につながってしまうため、「投げられる選手」(沖田監督)から起用した。7月に行われた夏の三重大会は6試合戦って2失策。堅守に磨きをかけて、甲子園への切符を手にした。

攻撃でもつなぎの意識を徹底。池田彪我主将は「自分は4番だが、前にも後ろにも頼もしい打者がいるので、力まず打席に立てる。どの打順からでもチャンスを作り、点を取ることができる」と、打線への信頼をあらわにした。

野球部には、県内最大級の115人の部員が所属する。春季大会以降、一部の控え部員から不満の声が上がり、まとまらない雰囲気になったが、池田主将が選手同士で話し合う場を設けて、練習を補助する仲間への感謝を再確認し、夏に向けて再び歩き出した。

池田ら3年生は、入部当初から56人、誰一人欠けることなく活動を続けてきた。コロナ禍で対面の機会が減っても、SNS(会員制交流サイト)で積極的に仲間と連絡を取り合っていた池田は「立候補して主将になったので、自分が中心となってチームを引っ張りたい」と話す。

春夏通じて、同校49年ぶりのベスト4に進出した平成30年春の選抜大会以来の甲子園。3年前のセンバツでの活躍を見て入部を決めた選手も多く「全員で甲子園へ」という勝利への貪欲な姿勢も追い風になった。

池田は「甲子園でも勝ち続けるのが目標。今までやってきていないことはできないので、今まで通り自分たちの野球をしたい」と意気込む。全国制覇まであと5勝。培ったつながりを武器に夢の舞台で躍動する。