
【津】三重県御浜町に馬明窯を開く陶芸家の畑中伊紀さん(47)の陶展「熊野でつくるやきもの」がこのほど、津市東丸之内の松菱6階美術画廊で始まった。土の風合いを生かして表現した花器や日常遣いの器など約百点を展示・販売している。8月2日まで。
畑中さんは熊野市出身。平成10年から津市の陶芸家、高山光氏に師事し、同15年に御浜町に開窯した。県内外で作品を発表し、同所では2年ぶりの開催となる。
縫い合わせたような意匠やさびた金属を思わせる「繕い」や、複数の形を合わせ一つに造形した「集い」など熊野の土を使ったシリーズのほか、白い土に粒状の釉薬を練り込んだ「旱(ひでり)に雨」、長皿や湯飲み、重箱が並ぶ。
畑中さんは「表現の出し方を変えても、土の風合いをなくさないよう作っている」と見どころを話した。