
第103回全国高校野球選手権三重大会は22日に準々決勝4試合が行われベスト4が決まった。2008年以来13年ぶりの夏の甲子園を目指した菰野は大会第3シードの津商に1―6で敗れ、今大会屈指の好左腕と評された3年生主戦池田翔紀の夏も終わった。
敗戦後、目を潤ませながら池田は言った。「大学に進学して、4年間ケガなく成長し、自分の将来の夢であるプロになる夢をかなえたい」。
181センチ、83キロの恵まれた体格から投げ下ろす140キロ近い直球が最大の魅力。1年春の東海大会で先発デビューするなど早くから頭角を現したが、2年目以降故障に苦しむ期間が増えた。
一番つらかった時期が肘の故障に苦しんだ昨年秋以降。今年春の県大会は背番号1を2年生右腕の杉浦陸斗に譲った。キャッチボール程度の練習を続けながら「最後の夏自分が投げられるのか不安だった」と表情を曇らせる。
懸命のリハビリの末、夏の県大会は背番号1をつけて臨んだ。昨年夏の県独自大会優勝のいなべ総合を3―0で下した21日の3回戦は149球を投げ切っていなべ打線を6安打完封した。
2連戦となった準々決勝の津商戦は杉浦に先発のマウンドを託して4番、右翼手で先発出場し5打数1安打。それでも「今年春の練習試合で全然打てなかった(津商主戦の)出口(慶人)からヒットも打てた」と話し「やれることは全部やった、悔いの無い試合だった」と顔を上げた。