三重大生の県内就職促進 伊藤学長、県外流出で サテライト強化に意欲 三重

【講演する伊藤学長=津市大門で】

【津】伊勢新聞政経懇話会7月例会が20日、三重県津市大門の津センターパレスであった。三重大の伊藤正明学長(66)が「つながる知、ひらく未来、地域共創大学へ」と題して講演し、「皆さんに人材育成で力添えをしてもらえる大学を目指したい」と述べた。

伊藤氏は、同大教育学部や医学部看護学科の卒業生の多くが県内に就職する一方で、工学部の卒業生は愛知県や首都圏に流出している現状を踏まえ「三重県に残る学生を増やすのが我々の使命」と強調した。

文科省が国立大学の教育研究や経営改革の成果を相対評価し、運営費交付金を各大学に傾斜配分する仕組みを説明し「教育研究の成果を社会に還元することが求められている」との認識を示した。

その上で、県内4カ所に設置している地域拠点サテライトの機能を見直し、強化することに意欲を示し「医学部付属病院がサテライトに入っていないので、一緒に研究していきたい」と語った。

また、伊藤氏は「三重県は食と観光。和歌山県に観光の教育組織があるので、食で何かできないか」と提案。多様な学部による食がテーマの研究を目指し「三重県を売り出すことになるのではないか」と訴えた。

一方、付属病院の汚職事件や4回にわたるクラスター(感染者集団)の発生を受け「昨年は悪いニュースばかりで迷惑を掛けた」と反省。「危機管理の体制を立て直してやっていく」と気を引き締めた。

伊藤氏は津市出身。三重大医学部卒。同大院医学系研究科教授や付属病院長、副学長などを経て、今年4月から現職。