「魚の道」の歴史検証 錦から奈良まで100キロ踏破 戸畔の会が冊子作製 大紀町に寄贈

【服部町長(左)に完成した冊子を手渡す西村代表(右から3人目)ら=大紀町役場で】

【度会郡】三重県大紀町錦の地域おこしグループ「戸畔(とべ)の会」はこのほど、「魚(いよ)の道」と呼ばれる錦地区から奈良県へとつながる街道の歴史を8年かけて掘り起こし、実際にその道を歩いた取り組みをまとめた冊子「魚の道100㎞」を作成し、大紀町に50部寄贈した。

錦地区は神武天皇東征の上陸地として日本書紀に登場するほか、錦の魚について記された木簡が平城京跡から出土するなど、古くから奈良の都と関わりがあったとされている。

同会は平成23年に発足し、会員13人が「地元の歴史や文化を知ってもらい、後世につなげたい」と精力的に活動している。

同25年から、「丹敷(にしき)戸畔の謎解明プロジェクト 都に続く縁の道を歩く」を実施。神武天皇が都をつくる地を目指した東征の道が、錦から都へ海の幸を運んだ魚の道ではないかと検証するツアーを7回開き、各地の町歩きや山歩きを織り交ぜながら歴史を学んだ。最終年の令和2年には、錦から橿原神宮(奈良)までの約100キロを4泊5日と1年かけて歩く二つの取り組みを行った。

冊子はA4判、18ページで2千部作成。実際に歩いた魚の道全4コースを掲載した。地図や写真、イラストをふんだんに使い、コース付近の観光名所や歴史関係施設などのほか、魚の道を歩いて出会った弁当やおやつも紹介した。今後は協力してくれた行政関係、団体らに冊子を寄贈する予定。

同会の西村元美代表(65)ら3人が町役場を訪れ、服部吉人町長に冊子を手渡した。町によると小中学校の図書館や役場支所、集会所などに設置するという。

服部町長は「きめ細かく書いてもらい、イラストも多いので子どもにも分かりやすい。有効に活用させてもらう」、西村代表は「地元の歴史を若い人に伝え、今後は語り部も増やしていきたい」と話した。