
【鈴鹿】三重県の鈴鹿市は7日、市内の障害者施設が3日に入所者と職員を対象に実施した新型コロナウイルスワクチンの個別接種で、30代の男性職員1人に誤って使用済みの注射器を使用したと発表した。男性は採血による血液感染症の検査結果が陰性で、現在のところ健康被害はないが、今後3カ月程度の健康観察をする。
市によると、市内の施設嘱託医が約60人に接種。国のマニュアルに反し、医師が使用済みの注射針1本にキャップを付けたことから、未使用の注射器と混同した。
医師が注射器を刺した時に、ワクチンが入っていないことに気が付き、新たな注射器でワクチンを接種した。
5日に医師が男性に謝罪し、採血をした。その後、男性が市に相談し判明した。
市は市ホームページでの公表と国への文書報告のほか、市医師会を通じて再発防止の徹底を呼び掛ける。
中村昭宏健康福祉部長は、市が発生状況を確認するまでに時間がかかったことを踏まえ、「早期対応は大切。市全体として認識していく必要があり、すぐに情報提供できる体制づくりを進める」と話した。