
【津】三重県津市安濃地区で江戸時代盛んに作られた織物「津綟子(つもじ)」について学ぶ授業が29日、同市安濃町の安濃公民館であった。市立安濃小6年生40人が、津綟子の研究で知られる郷土史家の浅生悦生さん(76)=同町=から歴史を教わり、原料のカラムシ(苧麻)から繊維を取る体験をした。
浅生さんは津綟子が同町の美濃屋川沿いの村で安土桃山時代から作られており、織りや染めが素晴らしかったことから「お国名物」として将軍や大名に献上されていた歴史を紹介。
技術が漏れないよう藩に願い出ていた記録があり「幻の織物」とされていたが近年数点が見つかっているとして「幻だったものが少しずつ分かってきた。素晴らしい織物の復元に取り組むグループもある」などと話した。
その後児童はカラムシの茎の皮をはいで色素をそぎ取り、白く細長い繊維に分ける作業に挑戦し、互いに比べ合った。