三重県議会常任委 コロナ影響の観光地支援 旅行需要喚起策を準備

三重県は22日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。観光局は新型コロナウイルスの影響を受けた観光地を支援するため、旅行需要喚起策「みえ旅プレミアムキャンペーン」(仮称)の準備を進めていることを明らかにした。県内を旅行する県民を対象に宿泊料金などを割り引くほか、観光地で使えるクーポンの発行も予定している。

〈戦略企画雇用経済=野村保夫委員長(9人)〉

県が県民を対象に宿泊割引を実施するのは、新型コロナの「第3波」が終息した後の3月以来となる。観光局はキャンペーンの実施時期について「感染状況を見極めながら検討する」としている。

【観光支援】
観光局は、県民を対象に観光地にある体験施設などの利用料金を割り引くキャンペーンも併せて実施する方針。高速道路料金の割引きや観光地で使える商品券をセットにした「三重周遊ドライブプラン」の実施も検討している。

また、感染症が終息した後の本格的な旅行需要の回復を見据え、遠方からの誘客に向けた取り組みを8月に始める。宿泊や体験、テレワークが一体となった観光を菰野町と大台町で展開する予定。「アフターコロナの新しい旅を構築する」としている。

【三重テラス】
雇用経済部は首都圏営業拠点「三重テラス」(東京都)の利用者数について、令和2年度は7万6千人となり、前年度から13万2千人減少したと報告した。感染症の影響を見込んで昨年4月に設定した目標(17万6千人)も下回った。

都内と大阪府内で実施したアンケートで「県産品を購入したい。観光旅行で三重に行きたい」と答えた人の割合も1・4ポイント減の60・9%となり、目標の67・5%に及ばず。雇用経済部は「県のプロモーション活動が感染拡大によって制約されたため」とみている。

〈医療保健子ども福祉病院=田中智也委員長(8人)〉

子ども・福祉部は、引きこもり支援の方向性を定めた「県ひきこもり支援推進計画」(仮称)を年度内に策定すると報告した。引きこもりの実態や課題、支援に当たって重視すべき点などをまとめる。

【支援推進計画】
県によると、引きこもりの長期化によって家族が経済的に困窮する「8050問題」の顕在化や、新型コロナウイルスの感染拡大による深刻化への懸念などを受けて策定を決めた。今のところ同様の計画を策定している都道府県はない。

計画の期間は令和4年度からの3年間とする方針。子ども・福祉部は民生委員や児童委員を対象に実施するアンケートの結果などを踏まえ、11月にも計画の中間案を策定する予定。パブリックコメント(意見公募)などを経て、来年2月にも最終案を示す。

【引きこもり支援】
津田健児委員(自民党県議団、5期、四日市市)は「やっと就職しても新型コロナの影響で再び引きこもってしまうケースがある」と指摘。県当局は「支援のニーズを的確に捉え、きめ細かで継続的な支援に努める」と説明した。

また、日沖正信委員(新政みえ、6期、いなべ市・員弁郡)は「不登校から引きこもり状態になる例がたくさんある」とし、対策の継続性を担保するよう求めた。県当局は「引きこもりの長期化を防ぐため、教育などの分野と連携する」と説明した。

〈環境生活農林水産=野口正委員長(8人)〉

県は策定から10年が経過した茶業振興指針を本年度に策定し直す「伊勢茶振興計画」の骨子を示した。生産者や流通事業者らの意見を踏まえて10月に中間案を取りまとめる。12月末までの策定を目指す。

【伊勢茶】
新たな振興計画の骨子では、生産者の所得向上と県民による消費拡大を目指し、目標指標を設定するとしている。担い手の確保や先端技術を活用した生産効率の改善、地産地消の推進に取り組む方針。

杉本熊野委員(新政みえ、4期、津市)は「どんな策を講じれば消費が拡大するのか」と質問。県当局は「水やコーヒーを茶に置き換える必要がある」との考えを示した。

【アコヤガイ】
県はアコヤガイの大量死を防ぐ対策として、従来の2倍に当たる4ミリの稚貝を53万個生産し、今月1日から真珠養殖業者に配布したと報告。従来の大きさでは、環境の変化に弱かったため。

山本教和委員(自民党、9期、志摩市)は「6月の半ばからへい死が始まってきたと業者が言っている。7―8月には貝が弱っていく。これから大事な時期を迎えるに当たってどうすべきか」と尋ねた。

県当局は「今年は5件ほどへい死の通報があるものの、養殖業者が深づりをするなどして一定抑え込めているのではないか。現場でしっかりと対策を取ってもらう」と述べた。