志摩 鵜方紅茶、茶葉手摘み 復活取り組むJA、生産者 三重

【紅茶用品種「はつもみじ」の新芽を摘み取る谷川原さん=志摩市阿児町鵜方で】

【志摩】明治から昭和にかけ、志摩市阿児町鵜方で盛んに生産されていた「鵜方紅茶」の復活に取り組むJA伊勢は21日、同地区で紅茶用品種「はつもみじ」などを栽培する谷川原久仁夫さん(72)の茶畑で二番茶の新芽を手摘みした。

鵜方紅茶は、大正9年の第4回全国製茶品評会紅茶部門で最優秀賞を受賞するなど高い評価を受けていたが、生産者の高齢化や輸入紅茶の普及で生産量が激減。製造工場も閉鎖され、鵜方紅茶の販売もなくなった。

平成29年、当時のJA鳥羽志摩(現JA伊勢)が産地復活や地域活性化を目指し、農家2軒と連携して試験製造を始めた。現存の品種を挿し木して増やしたり、新たな品種の苗を定植したりするなど復活への取り組みを進めていて、現在は生産者も3軒に増えた。昨年には、磯部町にある食器メーカーのティーカップと一緒に同市のふるさと納税返礼品に登録された。

この日は、2アールの茶畑で谷川原さんやJA職員ら15人が「はつもみじ」などの新芽を丁寧に摘み取った。22日にはJA阿児茶加工場で紅茶の製造を行う。今シーズンは手摘みや機械刈りを2―3回行い、茶葉約百キロを収穫する予定。鵜方紅茶は市内の志摩観光ホテルやイワジン喫茶室、JAの直売所「HATAKE」で購入できる。

谷川原さんは「仲間を増やして鵜方紅茶の生産量を上げていきたい」、JA伊勢鳥羽志摩経済センターの竹内大登さん(29)は「品質を安定させながら生産量を増やし、鵜方紅茶を志摩の紅茶として普及させたい」と話した。