三重県議会常任委 夜間中学設置可否判断へ 学び直し教室開講し検証

【夜間中学のニーズを検証する「みえ学び体験教室」について説明を受ける教育警察常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会は21日、総務地域連携デジタル社会推進、防災県土整備企業、教育警察の各常任委員会と予算決算常任委の各分科会を開いた。県教委は教育警察常任委で、公立夜間中学の需要を把握するため、8―11月に四日市市と津市で義務教育課程を学び直す体験教室を開講すると明らかにした。早ければ今週にも受講者の募集を開始する。教育内容や授業方法などの課題を検証し、来年10月ごろに夜間中学の設置の可否を判断する。

〈教育警察=田中祐治委員長(8人)〉

施設整備や運営を民間に委ねる「PFI方式」を鈴鹿市の宿泊研修施設「鈴鹿青少年センター」に導入するため、約42億円を債務負担行為として設定する一般会計補正予算案と関連する条例の改正案を全会一致で可決すべきとした。

【鈴鹿青少年センター】
県教委は、施設の改修や運営を約20年間にわたって民間に委託するため費用を計上。センターと一体的に整備する県営公園「鈴鹿青少年の森」と合わせると、債務負担行為の設定額は約51億円に上る。

北川裕之委員(新政みえ、5期、名張市)は、債務負担行為として設定された金額の積算根拠を尋ねた。

県教委は「PFIでは発注者側が具体的な設計を行わないことになっているため、国交省が公表している予算単価表や統計値、過去の類似施設の単価を参考に算出した」と説明した。

【夜間中学】
夜間中学のニーズや課題を検証する場として「みえ学び体験教室」を県総合教育センター(津市)と県立北星高校(四日市市)の2カ所で実施する。外国人住民が多く、交通の便が良い地域として津、四日市両市を選んだ。

義務教育を受けることができなかった人や外国人を対象に、各会場20人程度を募集。教員経験のある指導員が中学1年の国語と数学を教える。火曜と木曜の午後6時―8時まで。全20回で、受講無料。インターネットでも配信する。

〈総務地域連携=森野真治委員長(8人)〉

南部地域活性化局は、国が志摩市の旧4町(浜島町、大王町、志摩町、磯部町)と伊賀市の旧島ケ原村を過疎法に基づく「過疎地域」に指定したと報告した。指定は4月1日付。

【過疎地域】
県によると、過疎地域に指定されると公共施設の建設や地方債の発行などで優遇措置を受けることができる。志摩市と伊賀市の旧5町村は平成27年の国勢調査に基づく人口減少率などが基準を満たしたため、過疎地域となった。

一方、津市の旧美杉村は合併した同市の財政力指数が基準を満たさず過疎地域から外れたが、令和8年度までの経過措置として過疎地域とほぼ同等の支援を受けることができる「特定市町村」となった。県内の過疎地域は10市町の14地域となった。

【タクシー】
感染拡大の影響を受けた交通事業者への支援に関連し、舟橋裕幸委員(新政みえ、7期、津市)はワクチンの配送を県職員が担ったことを踏まえて「運転が心もとない職員が運ぶより、タクシーに任せた方が良いのでは」と提案した。

山口武美地域連携部長はワクチン配送業務の民間委託について「交通事業者に対する支援は補助金だけではなく、さまざまな形態があると考えている。各部との連携を通じて充実させていく必要がある」などと述べ、積極的に検討する考えを示した。

〈防災県土整備企業=山崎博委員長(8人)〉

県は自然災害に備えるために防災・減災対策の方向性をまとめた行動計画について、令和2年度末の達成率は前年度と比べて8・6ポイント減の85・5%だったと報告した。新型コロナウイルスの感染拡大で訓練や研修会が中止になったため。

【行動計画】
行動計画に定めた14の施策のうち、4施策は達成率が85%未満だった。特に避難や被災者を支援する活動は、コロナ禍で避難訓練が中止になったため61・9%と低水準にとどまった。

県は計画に基づいて取り組むため、オンライン研修会の実施など新しい生活様式に対応した具体的な手法を検討する方針。コロナ禍での災害に備え、避難所での感染症対策や親戚宅に避難する場合の感染予防に関する情報を発信する。

【氏名公表】
全国知事会が災害時の死者や行方不明者の氏名公表に関する指針案を示したことを踏まえ、中嶋年規委員(自民党県議団、5期、志摩市)が県としての指針や県政記者クラブとの調整状況を尋ねた。

県の担当者は「県としては全て公表するのではなく、個人情報に軸足を置いて公表したい」「令和2年に作成した案を記者会見で発表し、記者クラブから意見をもらった。継続的に協議を進める」と説明した。

県の指針に対しては、記者クラブが昨年2月に「容認しがたい」と伝えており、指針の運用開始は延期となっている。