新たな県立大の需要調査を始める 三重県、8月中にも結果公表

【県立大の設置に関する調査の報告を受ける戦略企画雇用経済常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は18日、戦略企画雇用経済、環境生活農林水産、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会を開いた。戦略企画部は設置の是非を検討している県立大の需要調査を、県内の高校2年生と保護者の約3万2千人を対象に16日から始めたことを明らかにした。無作為に抽出した県民を対象とした「eモニター」の調査を実施したことも報告。新たな県立大を進学先として検討するか否かなどを尋ね、8月中にも調査結果を公表する。
 〈戦略企画雇用経済=野村保夫委員長(9人)〉
県は高校生への需要調査や有識者会議の議論を踏まえ、来年3月にも設置の是非を判断する方針。一方、この日の常任委では「財政負担に関する議論がない」として、慎重な検討を求める声が上がった。

【県立大学】
戦略企画部は有識者会議の初会合を8日に開いたと報告。会合では「公立大が増えること自体は悪いことではない」などと設置に前向きな声がある一方で「県内からの入学者が2割に満たない可能性もある」との指摘もあったという。

これに対し、三谷哲央委員(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)は「財政負担の議論が全くない。県立博物館の設置を巡る議論では将来的な財政負担も議論していた」と指摘。安井晃戦略企画部長は「仮に(設置が)是となれば来年度から検討する」と説明した。

【県内定着】
戦略企画部は、県内の高等教育機関に入学した人に占める県内からの入学者の割合について、令和2年度は59・7%となり、前年度から4・2ポイント上昇したと報告。一方、成果レポートで目標に掲げていた60・0%は下回った。

高等教育機関の卒業生が県内で就職した割合も43・5%と前年度より1・7ポイント上昇したが、目標の46・8%には届かず。若者の定住率も82・17%と、目標の87・37%を下回った。戦略企画部は「大学を通じた県内企業の魅力発信などに努める」としている。

 

 〈環境生活農林水産=野口正委員長(8人)〉
県は桑名市で令和元年9月に終了したRDF(ごみ固形燃料)焼却発電を総括するため、関係する12市町からの意見を踏まえて事業全体を検証し、本年度に中間報告をまとめる方針を示した。

【RDF】
消防士2人が死亡した平成15年の爆発事故の要因や事業化の決定経緯を検証する。平成27年度にまとめた総括を再検証し、ダイオキシン対策や未利用エネルギーの活用など環境政策の視点も新たに加える。

濱井初男委員(新政みえ、3期、多気郡)は「市町の意見を取り入れるのか、確認するだけか」と尋ねた。

尾邊俊之廃棄物対策局次長は「骨子案や原案を示しながら、市町の意見を聞き取る。趣旨は意見をもらうことにある」と説明した。

【LGBT】
性的少数者(LGBT)のカップルを公認する「パートナーシップ宣誓制度」の運用を9月1日に開始するため、民間企業や市町にサービスの適用で協力を働きかけていると報告。利用可能なサービスを8月にホームページで掲載する。

杉本熊野委員(新政みえ、4期、津市)は、提供できる行政サービスの検討状況を尋ねた。

ダイバーシティ社会推進課の担当者は「県営住宅や県立病院は制度をほぼ認める方向で進んでいる。県職員としての給与や旅費制度で、事実婚にパートナーを含めるよう検討してもらっている」と述べた。

 

 〈医療保健子ども福祉病院=田中智也委員長(8人)〉
配属から6カ月が経過していない介護施設の外国人技能実習生は介護報酬上の職員と見なさない制度の緩和を求める請願を全会一致で「採択すべき」とした。国に制度の見直しを求める意見書案を本会議に提出する。

【技能実習生】
請願は、県内の介護事業者でつくる「みえ介護グローバル協同組合」(四日市市)が提出。中小事業者が積極的に技能実習生を育てられるよう、要件の緩和を求めた。

稲垣昭義委員(新政みえ、5期、四日市市)は請願への賛同を示しつつ「算定期間の短縮だけでなく、もう少し幅広に現場の声を聞きながら制度の改正や財政措置を求める内容にしてはどうか」と提案した。

正副委員長がまとめた意見書案は、技能実習制度について「中小規模の介護現場の実情とそぐわない点が顕在化している」と指摘。財政支援を含めた制度の見直しを国に求めている。

山本佐知子副委員長(自民党県議団、1期、桑名市・桑名郡)は「介護を支えているのは中小事業者が多い。国際社会の役割を考えれば、民間で裾野を広げることが大事」と述べた。