「米から覇権奪うのは日本」 経済アナリスト増田氏講演 三重

【講演する増田氏=津市大門で】

伊勢新聞政経懇話会6月例会が17日、三重県津市大門の津センターパレスであった。経済アナリストの増田悦佐氏(71)が「不確実な未来を生き抜くための経済史:500年に一度の歴史的転換点に立って」と題して講演し、「アメリカから覇権を奪うのは日本」と述べた。

増田氏は世界史を振り返り、権力が一元化する時代と多元化する時代を500年ごとに繰り返していると説明。「日本は権力が一元化した時代がほとんどない。折り合いをつけるのが得意なのが日本人」と述べた。

英国や米国の世界覇権が過ぎ、21世紀は権力が多元化する時代にあるとし、「多元化した時代に一番力を発揮できるのは日本人ではないか」と述べた。

現代は「経済をけん引する産業が製造業からサービス業に変わった」「株式市場の果たす役割が非常に希薄になっている。製造業の地位が下がっているため、資金需要が増えない」と指摘した。

米国経済に目を向け「サービス業が極端に金融業に偏っている。本来の意味でのサービス業は弱い」「金融業界とその周辺は謳歌(おうか)しているが、国民生活全体は相当悲惨」と語った。

中国経済は「国有企業の設備投資が大きく、ほとんど国民生活の豊かさに貢献していない」「国有企業に利権をばらまくことで一党独裁体制を維持している。経済全体が非常に非効率」とした。

江戸時代を例に、サービス業が主体でエネルギー消費の少ない経済を提唱。日本の格差の小ささに注目し、「大衆の消費水準を満遍なく底上げできるという意味で、覇権国は日本になることを期待する」と述べた。

増田氏は東京都生まれ。一橋大院経済学研究科修了後、ジョンズ・ホプキンス大院で歴史学・経済学の修士号を取得。HSBC証券やJPモルガンなどの外資系証券会社でアナリストを務めた。