
【伊勢】三重県伊勢市上野町の障害者施設「まほろばの里 上野作業所」が、同町で子授けの神様として親しまれる赤井神社と連携して縁起物「実結び玉」を作り、販売を始めた。人々の思いが「実を結ぶ」よう願いを込めた縁起物。発案したまほろばの里の森田可奈子理事長(52)は「多くの人に手に取ってもらって地域を盛り上げ、施設を見守ってくださる町の皆さんに恩返ししたい」と話している。
赤井神社は、同施設の近くにある標高90メートルの赤井山の山頂にあり、子授けや安産、子の幸せを守る神として古くからあがめられている。実結び玉は、同神社の象徴とされる山桃の実に見立てた。正方形の古布を縫い合わせて綿を詰め、四隅をつないで丸みのある形にし、縁起が良いとされる飾り結び「叶い結び」をあしらっている。
森田理事長が2月に初めて神社を参拝した際、参道からの美しい景色に心動かされ「神社のことを多くの人に知ってもらいたい」と縁起物づくりを思い立った。インターネットで見た縁起物を参考に試作し、神社を管理する地元の上野町自治会に紹介したところ、神社公認の縁起物として販売することになった。
施設の利用者と職員が協力して手縫いで仕上げ、神社で祈祷(きとう)を受けたものを、近くにある同施設の自主製作品無人販売所で先月から販売している。大(約4センチ四方)が350円、小(約2センチ四方)が300円。
地元住民からは「かわいい」「面白いね」と好評だという。森田理事長は「実結び玉を通じ、地域とのつながりが広がれば」と話した。問い合わせは同作業所=電話0596(39)0003=へ。