三重県議会一般質問 任期全う、職責果たす 知事、国政進出を問われ

三重県議会6月定例月会議は16日、石垣智矢(自民党県議団、1期、いなべ市・員弁郡選出)、杉本熊野(新政みえ、4期、津市)、津田健児(自民党県議団、5期、四日市市)、三谷哲央(新政みえ、7期、桑名市・桑名郡)の4議員が一般質問した。三谷議員は三ツ矢憲生衆院議員(三重4区)の引退表明を踏まえ、国政進出が取り沙汰される鈴木英敬知事の進退について改めて質問。鈴木知事は「知事選で与えられた任期を全うすべく、引き続き職責を果たす考えに変わりはない」と述べた。

■AI婚活の活用提案 ― 石垣 智矢議員(自民党県議団)

趣味や価値観、過去の婚活実績などのデータに基づきAI(人工知能)が相性の良い相手を割り出す「AI婚活」を、県の婚活支援事業に活用することを提案。県当局は他県での先進事例を踏まえ、導入の可能性を探る考えを示した。

【AI婚活】
石垣議員 AI婚活はすでに愛媛県や埼玉県で採用され、高い成婚率などの成果が出ている。出会いや結婚を希望する人が相手を選ぶ一つの選択肢となる。AIによる婚活支援をどのように考えるか。

中山子ども・福祉部長
AIによるマッチングは昨年12月時点で、19県で導入されている。導入県では、マッチング件数の増加など一定の効果があると聞く。先進県の事例調査を進めると共に、民間での活用状況も情報収集し、県での導入可能性を研究する。

【県営都市公園】
石垣議員 コロナ禍で密を避けて、屋外で会議する「オープンエアミーティング」が新たなスタイルとして注目されている。県営都市公園にWi―Fi(無線LAN)設備を設置してはどうか。

真弓県土整備部理事 身近な公園をビジネス活動の場として活用する都市型のワーケーションは、新たな需要を喚起すると考える。しかし、県営都市公園には屋外Wi―Fiが整備されておらず、新たに通信環境の整備が必要になる。利用ニーズを把握し、費用対効果を踏まえて検討する。

■子ども条例あり方検討 ― 杉本 熊野議員(新政みえ)

4月で施行から10年が経過した子ども条例について、児童虐待の増加などを踏まえてあり方を議論するよう要請。鈴木知事は子どもを取り巻く課題を把握し、必要があれば条例改正も検討する考えを示した。

【競技力向上】
杉本議員 障害者スポーツを所管しているのは子ども・福祉部だが、三重とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)を機に、一定のレベルに達したパラアスリートの競技力向上は健常者と同様にスポーツ担当部局が担うべき。

辻国体・全国障害者スポーツ大会局長 三重とこわか大会に向けた取り組みにより、世界での活躍を志す選手が多く現れることが見込まれる。パラアスリートの活躍は県民に勇気や希望を与える。部局の取り組みや連携のあり方について、しっかりと検討する。

【子ども条例】
杉本議員 子ども条例の目的は「子どもが豊かに育つ地域づくり」だが、子ども自身にもっとフォーカスした条文とすべき。児童虐待は過去最多を更新し、貧困や教育格差も広がっている。施行10年を機にあり方を議論すべき。

知事 児童虐待の深刻化や子どもの貧困、ヤングケアラーなどの新たな課題が顕在化している。これらの課題を分析し、取り組みの不足を洗い出す。施策の実効性を確保するために必要があると判断すれば、新たな計画の策定や条例の見直しを含めて検討する。

■エシカル消費ルールを ― 津田 健児議員(自民党県議団)

新疆ウイグル自治区の人権問題に言及し、人や社会・環境に配慮した「エシカル消費(倫理的消費)」の観点から物品調達のルール作りを提案。県当局は「前向きに受け止めて努力したい」と積極的な姿勢を示した。

【エシカル消費】
津田議員 エシカル消費が注目されている。ウイグル人の強制労働でもたらされた商品を買わないという考えにも一致する。県も率先して倫理的な買い物をすべき。県の物品調達でエシカル消費のルール作りをしてほしい。

岡村環境生活部長 県が率先してエシカル消費を進めることは関係部局と整理する必要があるが、前向きに受け止めて努力したい。すでに実施されている優先調達に加え、人権に配慮した物品調達の環境が整うように在り方を考える。

【伊勢茶】
津田議員 茶の生産量や生産額の拡大も大事だが、茶の魅力を伝え、県民の伊勢茶愛を高める取り組みも必要。茶の魅力を引き出すには、茶業界関係者以外からの意見を取り入れることが非常に大切になる。

更屋農林水産部長 伊勢茶の振興計画の策定に当たっては、茶業会議所やJAなどによる検討会議を開催し、具体的な対応策を検討している。今後は歴史文化に関係する学識経験者などで構成する懇話会を開くほか、外食や観光などさまざまな方面から意見を聞き取り、計画に反映させたい。

■答弁書事前配布あるか ― 三谷 哲央議員(新政みえ)

小林貴虎議員(自民党県議団、1期、津市)が県当局から事前に一般質問の答弁書を受け取ったとの発言をしたことについて「事実なら県議会への信頼を揺るがす」と批判。県当局は事前の配布を否定した。

【答弁書】
三谷議員 小林議員が14日の一般質問で「事前に答弁書をもらった」という趣旨の発言をした。真剣勝負の一般質問が読み上げの儀式なら、県民を馬鹿にしていると言われても弁解の余地はない。事前に答弁書を渡しているのか。

高間総務部長 執行部は答弁のすれ違いや答弁漏れなどを防ぐため、事前にレクチャーを設けて議員から通告の詳細を聞き取っている。関係部局の企画員に確認したところ、答弁書を渡したことは事実ではなかった。今後も対話と緊張のバランスを持って臨む。

【政治姿勢】
三谷議員 三ツ矢衆院議員が今期での勇退を表明したことで、県内の政治状況が変わってきた。コロナ対応や国体に責任がある知事職を捨てて国政に転じることはないとは思うが、国政進出の意思はないという考えに変わりはないのか。

知事 三ツ矢先生の勇退表明にかかわらず、県民からはさまざまな声をいただいている。どんな政治家人生を歩むにしても有権者の声に耳を傾けることが重要。任期を全うすべく、引き続き職責を果たす考えに変わりはない。引き続き諸課題の対応に全力を尽くす。

<記者席 ― 「国政転出」うわさ収まるか>

○…施行10年を迎えた子ども条例に関連して9月から課題の分析を進め、必要ならば見直しも検討すると打ち出した鈴木知事。長期的ビジョンを表明したことで「国政転出」を巡るうわさも収まるか。

○…と思いきや、津田議員に好きな花を聞かれるとアジサイを挙げて「花言葉は寛容、和気あいあい、家族だんらん」と紹介したが、実は「心変わり」という別の花言葉があることを知っての発言か。

○…さらには津田議員に就任10年で感じた三重の魅力を問われ、銚子川、宮川、和具漁港を挙げた。「子どもに聞いた結果」というが、いずれも所在地は衆院三重4区。やはりうわさは収まりそうにない。