2021年6月11日(金)

▼山本里香県議「生理の貧困が問題となっている時に動きがない。もう少し敏感に対応を」。鈴木英敬知事「従前からあった問題だがコロナ禍で顕在化した」

▼本紙が要点採録で伝える県議会一般質問で、知事がこの日答弁したのは「とこわか国体・大会」と2件。核心に迫る「国体・大会」に比べ「生理の貧困」の出だしは最近の報道の前文でよく見かける。戸惑いがにじみ出ている気がする

▼中学校の体育の時間に見学に回る女子生徒を不思議な感覚で見ていた。保健の時間は男女別。そんな古い記憶がよみがえったのは、職場で管理職になってからだ。不調の女性の部下に対して、別の女性が「彼女は生理が重いから」と教えてくれた。更年期障害に苦しむ訴えを聞いた…。公立高校時代は保健体育そのものが男女別だった

▼知事も似たようなものだったのではないか。コロナ禍となって、初めて「生理の貧困」「生理」に向き合うことになった。生理用品の値段を知っているかどうか。軽減税率の話題にさえならなかったことも。タブー(禁忌)の語源のポリネシア圏では生理も含まれていたという。日本でも平安時代には「穢れ」とされ、その脈絡は現代の学校教育も続く

▼ある調査によると、生理休暇の取得率は7%で、12%が通常の休暇を利用。理由として「言い出しにくい」があげられる。育児休暇取得を奨励する県だが、生理休暇については調査もしていないのではないか。県内事業所労働条件実態調査でも生理休暇の項目はない

▼知事は「それぞれの部署でしっかり検討する」。答弁書の棒読みに違いない。