三重県議会一般質問 国体「現時点では可能」 開催可否に知事

三重県議会6月定例月会議は9日、舘直人(草莽、5期、三重郡選出)、山内道明(公明党、2期、四日市市)、山本里香(共産党、2期、四日市市)、平畑武(新政みえ、1期、鈴鹿市)、前野和美(自民党県議団、5期、津市)の5議員が一般質問した。鈴木英敬知事は今秋に開催予定の三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)について「新型コロナウイルス感染症は非常に深刻な事態が続いているが、現時点では開催は可能と考えている」との認識を改めて示した。舘議員の質問に答えた。

■地域でも部活動を ― 舘 直人議員(草莽)

教職員の働き方改革と部活動の推進を両立させるため、総合型地域スポーツクラブの活用を提案。県教委は本年度、中学校1校で休日の指導を総合型クラブが担うと明らかにした。成果や課題を整理し、活用を検討する。

【三重とこわか国体】
舘議員 知事は就任以来、先頭に立って三重とこわか国体・とこわか大会の準備をしてきた。新型コロナウイルスの感染拡大で、デモンストレーションスポーツは中止や開催の見合わせとなっている。両大会の開催に向けた知事の決意は。

知事 かねてから定めていた開催可否検討のための基本的な考え方に基づき、現時点では開催は可能と考えている。節目節目における準備状況を丁寧に説明するなど、県民の不安の軽減や疑問の解消に努め、一人でも多くの人に開催を理解してもらえるよう努力する。

【部活動】
舘議員 教職員の負担を軽減するため、学校の部活動で休日の指導を地域に移行させる取り組みが暫定的に進んでいる。総合型地域スポーツクラブの活用やトップアスリートの協力などで部活動をどのように推進するのか。

木平教育長 対応策を検証するため、本年度に3市町の中学校4校で、実践研究を行い、休日は地域のスポーツ団体に指導してもらう。うち1校では、総合型クラブと連携する。国体などで活躍するトップアスリートに指導してもらえないかも検討する。

■奨学金肩代わり促進 ― 山内 道明議員(公明党)

就職先の企業が奨学金の返還を肩代わりする制度が始まったと紹介し、県内の企業に利用を促すよう求めた。県当局は県内就職の増加につながる可能性があるとして、制度の周知に努める考えを示した。

【奨学金】
山内議員 学びを断念することがないよう、奨学金の負担を軽減することが重要。日本学生支援機構の奨学金について、企業が社員に代わって直接に返還できる制度が4月に導入されたが、どのように制度を周知していくのか。

島上雇用経済部長 企業にとっては法人税法上で有利となる場合があるほか、人材確保の一助にもなることから、ある程度の導入が見込める。制度を導入する企業が増えれば、県内での就職を前向きに検討する可能性もある。商工団体と連携して周知を進める。

【社会参画】
山内議員 障害者雇用の促進に当たっては、ディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の推進や雇用の創出に向けた環境整備が大切。職場で定着して働き続けるためにはスキルアップも重要だと考える。

島上部長 ある県内の企業では障害者が働きながら図面の作成や設計支援のスキルを習得したと聞いている。将来的な管理職登用を含めたキャリア支援を考えているという例もある。経験を蓄積している企業に聞き取り、職業能力開発の促進につなげたい。

■「生理の貧困」対応は ― 山本 里香議員(共産党)

コロナ禍をきっかけに、困窮で生理用品を購入できない「生理の貧困」が社会的な問題となっているとして、県に全庁的な対応を求めた。鈴木知事は「それぞれの部署でしっかり検討する」と述べた。

【生理の貧困】
山本議員 生理の貧困が問題となっているときに動きがない。もう少し敏感に対応していただければと思う。教育や福祉、防災、女性施策の問題など全庁的にどのように取り組むのか。知事の旗振りを期待する。

知事 経済的困窮が理由で生理用品を買えないのは従前からあった問題だが、コロナ禍で顕在化した。女性が活躍する機会を喪失することにつながる。解決を目指すことは、ダイバーシティ社会の中でも重要。市町やNPOと連携して対応するとともに、女性に支援が行き届くようにする。

【生活福祉資金】
山本議員 生活福祉資金の特例貸付で、申請が未承認になったという相談が多く寄せられている。特に再貸付では一層大変と言われている。こういった現状をどう把握しているのか。どうすべきと考えるか。

中山子ども・福祉部長 不承認となったのは減収が認められないケースや、明らかに償還が困難なケースと確認している。不承認となった人を、それぞれ必要な支援につなげることが重要と考える。市町の社会福祉協議会で申請者に寄り添った対応が行われるよう要請した。

■歩道塗り直し、早急に ― 平畑 武議員(新政みえ)

歩行者の安全を確保するため、消えかかった横断歩道の塗り直しを早急に進めるよう求めた。佐野県警本部長は「著しく摩耗した横断歩道は一時停止の義務を課す効力を失いかねない」と述べ、塗り直しに努める考えを示した。

【在宅療養】
平畑議員 新型コロナの患者は入院が原則だった県内でも宿泊施設や自宅での療養が始まっているが、県外では在宅中に容体が急変して死亡した例もある。やむを得ずに宿泊施設や自宅で療養しているのではと心配する声もある。

中尾医療保健部理事 入院が必要な患者は確実に入院できる。宿泊療養施設や自宅療養でもパルスオキシメーターの配布や健康観察を実施しているほか、相談窓口もある。症状の変化を早期に発見し、必要な場合は迅速に入院医療を提供できるよう取り組んでいる。

【横断歩道】
平畑議員 消えている横断歩道の塗り直しを進めるべき。県内は横断歩道で一時停止する車の割合が全国最下位になったこともあるが、横断歩道が消えた状態で放置されていることも原因の一つとして考えられるのではないか。

佐野県警本部長 施工から8年で著しく摩耗するため、最低でも年間で2200本を塗り替える必要がある。本年度は前年度の3倍となる3700本分の予算を計上したが、塗り残しの解消には至らない。来年度も相応の加算が必要だと考え、しっかりと取り組む。

■接種券配布見通しは ― 前野 和美議員(自民党県議団)

21日から始まる新型コロナワクチンの職域接種に向け、市町が発行する接種券の配布時期の見通しを尋ねた。県当局は、国が今月中旬をめどに接種券の送付ができるよう市町に準備を求めていると説明した。

【接種券】
前野議員 職域接種では企業でのワクチン接種や大学での接種が可能との判断が政府から示されている。自治体の接種券の発行が間に合わないのではないかと心配している。市町の接種券の配布の動向はどうなっているのか。

中尾医療保健部理事 職域接種は企業の従業員や大学の学生らの住所が多岐にわたり、複数の市町にまたがる事例も多い。国は接種券が届く前でも接種が可能とし、接種後に本人から接種券を回収するとしている。県としては、市町が接種券の発行や管理を円滑にできるよう支援する。

【農地集積】
前野議員 高齢化で他の農地にまで手が回らないという農家が見受けられる。県内の農地集積の現状と取り組み、市町における実効性の高い計画の作成に向けた県の支援は。

更屋農林水産部長 農地の利用面積を増やすことで収益の増加とコストの低減を図ることが重要。昨年度末の県内の担い手への農地集積率は41・6%で、着実に増加している。市町の計画が実効性の高いものとなるよう、アンケート調査や担い手の育成など取り組みを支援している。

<記者席 ― 国体、無事終了の願い込め?>

○…三重とこわか国体・とこわか大会のマスコット「とこまる」をあしらったマスクで臨んだ舘議員。国体の準備に関する質問を終えたところで「ちょっとマスクを替える」と別のポーズのとこまるに。

○…新たなマスクを着用すると、今度は国体後の県のスポーツ振興に話題を移した。聖火を持ったポーズから万歳のポーズに替えたようだが、万歳できるほど無事に国体を終えられることを願ってか。

○…平畑議員は鈴木知事の国政進出を巡るうわさが取り沙汰されていることを踏まえて「知事がいる間に一般質問ができて光栄に思う」と切り出し、議場の笑いを誘った。

○…その後は県の新型コロナ対策に絡めて「さすが動きが速い。総理になっても同じように速く進めて」とのエールも。知事の国政進出に相当な“確信”があるようだ。