尾鷲市長に加藤氏 三つどもえ制し再選 投票率73.18% 三重

【タイを持って当選を喜ぶ加藤氏=尾鷲市野地町の選挙事務所で】

【尾鷲】任期満了(7月25日)に伴う三重県の尾鷲市長選は6日、投開票された。現職の加藤千速氏(72)=中央町=が、新人の野田拡雄氏(64)=南陽町=、元職の奥田尚佳氏(53)=古戸町=を大差で破って再選を果たした。加藤氏は「市民の皆さんと一緒になって尾鷲を盛り上げていきたい」と決意を述べた。

午後9時40分ごろ、同市野地町の選挙事務所に当選確実の一報が入ると、集まった支援者らから拍手と歓声が巻き起こった。

加藤氏はお辞儀を繰り返しながら支援者らに「本当にありがとうございます」と感謝を伝えると、「4年間の実績と経験を十分生かしながら、一歩ずつ進めていきながら公約について必ず具現化していきたい」と抱負を語った。

一方、敗れた野田氏は市立尾鷲総合病院の維持存続や、雇用創出などを訴えたが支持を得られなかった。敗れた奥田氏も公認会計士として数字に強いことをアピールし、市の財政再建などに取り組むとしたが及ばなかった。

投票率はは73・18%で、前回の77・89%を4・71ポイント下回った。当日有権者数は1万5103人(男6950人、女8153人)。
■課題山積、現職に託す■
現職、元職、新人の3氏が立候補し、尾鷲市長選では33年ぶりに3つどもえとなった。広域ごみ処理施設の建設計画や市立尾鷲総合病院の医療体制確保、人口減少による地場産業衰退など課題が山積する同市で、市民は現職の加藤千速氏に市政の継続を託した。

加藤氏は「住みたいまち、住み続けたいまち、尾鷲」をスローガンに政策を実現していくとし、緊急課題として新型コロナ対策に取り組むと主張。尾鷲総合病院の医療機器更新や広域ごみ処理施設の事業推進、若者の雇用創出などを訴え、幅広く支持を獲得した。

市の人口は10年前の約2万800人と比べ、現在は約1万7千人に減少し、産業振興や働く場づくりが喫緊の課題だ。市、尾鷲商工会議所、中部電力の3者で協議会を立ち上げ、東紀州地域の活性化の拠点となる場を目指す中部電力尾鷲三田火力発電所跡地構想についても、具体的な成果が求められる。

広域ごみ処理施設の建設予定地についても、周辺の事業者が猛反対している。事業を進めるには事業者への丁寧な説明が欠かせない。2期目の市政運営に向け、加藤氏の手腕が問われている。