ごみ処理施設、選挙の争点に 尾鷲市長選、病院設備の更新も 三重

【東紀州5市町の首長が合意した広域ごみ処理施設の建設予定地、尾鷲市営野球場=同市矢浜真砂で】

【尾鷲】任期満了(7月25日)に伴う三重県の尾鷲市長選が、30日に告示される。選挙へは再選を目指す加藤千速市長(72)、共に現市議で、元市長の奥田尚佳氏(53)、新人の野田拡雄氏(64)の3人が立候補を表明しており、三つどもえの戦いが濃厚だ。奥田、野田両氏は、市内に建設を計画する広域ごみ処理施設の予定地や、市立尾鷲総合病院(同市上野町)の医療機器の更新などを巡って現市政を批判しており、選挙の争点となりそうだ。

加藤市長ら5市町の首長は、共同で計画する広域ごみ処理施設の建設予定地について同市矢浜の市営野球場で合意し、事業を進めている。市営野球場の代替地は、海抜4メートルの津波浸水域にある中部電力尾鷲三田火力発電所跡地を予定している。津波対策として、新設した野球場の近くに避難場所の築山を造る計画という。

建設予定地が合意されるまで二転三転しており、奥田氏は「市民への説明会が開かれず、どんどん進めている。複数の事業者が猛反対している」と批判。また、広域ごみ処理施設の建設予定地が白紙になった中電跡地に野球場が建設されることについても「発電所跡地に野球場を造るのは矛盾している。市長に当選すると予定地を一度白紙にする」と話す。

野田氏も同様に「議員や市民へ情報開示されていない。代替地の野球場の建設予定地はリスクがある」と指摘。市長に当選すると「広域ごみ処理施設と代替地の野球場の建設予定地を見直したい」と語る。

加藤市長は、市営野球場に広域ごみ処理施設を建設し、市営野球場の代替地を中電跡地にする方針は変えない姿勢だ。海抜4メートルの場所に市営野球場を建設することについて「海抜15メートルの築山と避難経路を確保して安全対策を講じる。批判を受けるようなことはない」と、考えを示す。

市立尾鷲総合病院の医療機器を巡っても奥田、野田両氏は現市政を批判する。

加藤市長は、4年前の市長選で、現在故障中の市立尾鷲総合病院の放射線治療装置(リニアック)の更新を掲げ、当選。リニアックは来年3月に導入予定だ。

病院の医療機器は導入から10年以上が経過したMRIやCTがある。病院の担当者によると、MRIとCTの利用者数は、リニアックの利用者数よりも多いという。

加藤市長は「MRIは令和4年度中、CTは5年度中に更新する計画を立てており、資金計画はできているので順次進めていきたい」と意欲を示している。

リニアックを巡り、更新こそ反対しないものの、奥田氏は「更新の優先順位が違う。利用者数が多いCTとMRIから更新すべき」、野田氏も「リニアックを強引に進めている。ニーズを把握し、多くの患者が使う機器から更新して信頼を高めるべき」と疑問を呈している。

市民からは「リニアックよりもMRIとCTを先に更新してほしい」、「広域ごみ処理施設の建設予定地について丁寧な説明をしてほしい」などの声が聞かれる。次の市長には、市民への情報開示や丁寧な説明が求められる。