繁殖牛飼育を収入源に 南伊勢町、若者定住へ取り組み 三重

【繁殖牛の移動放牧に取り組む白根さん(左)と山村振興集落支援員の田中さん=南伊勢町迫間浦で】

【度会郡】三重県南伊勢町の地域おこし協力隊として今年4月、同町に移住した白根直樹さん(34)が本年度から、町が実施する「繁殖牛放牧事業」に取り組んでいる。

町は昨年度、農山村で若い人が定着できる収入確保を検討する「若者定住お仕事検討会」を開催。地域課題の耕作放棄地を資源として捉え、放牧による繁殖牛経営の導入が有望という方向性を確認し、本年度から同事業をスタートさせた。2年目からは繁殖牛経営と農業・林業の複合経営を確立する仕組みを構築していく予定。

今年1月に種付けした黒毛和種の牛(雌)2頭を町が購入して白根さんに無償で貸し付け、町内数カ所の耕作放棄地で移動放牧の実証実験を行う。同町山村振興集落支援員の田中哲哉さん(61)の指導の下、牛の飼育や放牧の技術などを習得し、自立を目指す。事業費は592万5千円。

まずは拠点となる迫間浦で放牧の練習を行った後、町内の耕作放棄地で移動放牧を開始。9―10月ごろに拠点に戻って出産に備える。生まれた子牛1頭は町に返却するが、2頭目以降の子牛は白根さんが売却して収入を得ることができるという。

田中さんは「耕作放棄地を解消し、繁殖牛の飼育を若者の収入源として定着させるのが目的。町と連携し、地域の皆さんに理解してもらえるように放牧を行いたい」、白根さんは「農業は未経験で不安なところもあるが、放牧でいろんな地域を回って地元の人に親しみを持ってもらえるように頑張りたい」と意気込みを語った。