津市 元自治会長との不適切関係 元職員PCに「物的証拠」 聞き取りはせず 三重

【定例記者会見で、調査報告書を公表する前葉市長=津市役所で】

【津】三重県の前葉泰幸津市長は10日の定例記者会見で、市職員が特定の自治会に対して便宜を図っていたとされる問題で、市の調査チームが新たに三件の調査結果をまとめた報告書を公表した。平成31年3月に退職した職員のパソコンから逮捕された元自治会長への関与を示すデータが約百件見付かったと報告。前葉市長は「物的証拠」と強調するものの、元職員への聞き取りはしていないという。

報告書によると、元職員が市役所で使用していたパソコンから、元自治会長が市に提出した要望書や元自治会長が経営に関与するスナックのチラシを発見。幹部職員の名簿や誕生日のデータも見付かった。

データのほとんどは元職員が作成者や最終更新者だったことなどから、調査チームは元職員について「元自治会長に協力し、元自治会長と行政の不適切な関係に多大なる影響を与えたことは間違いない」とみる。

加えて、元職員による行動が「弱みを握られ、幹部職員による元自治会長との交渉や協議を困難にさせた要因」「職員の一体感を阻害し、職員間に疑心暗鬼が広がった要因」などの一つになったとしている。

この元職員は30年度に環境部で中堅職員として勤務。スナックで開かれるイベントについて、若手職員の会費の値下げを元自治会長に交渉してトラブルになり、孤立。同年度末で退職した。

調査チームは元職員への聞き取りをしておらず、報告書には現役職員の証言を反映。前葉市長は元職員への聞き取りには「聞き取りをするまでもなく、物証でこういうものが出ている」と消極的な姿勢を示した。

元職員以外の職員が使用しているパソコンを調べる意向を問われると「なぜしなければならないのか。私たちは捜査機関ではない」と反論。「職員には正直に弁護士に話すように指示している」と強調した。

元職員が幹部職員から指示を受けて作成していた可能性については「幹部職員には全て聞き取りをしている」と否定。元職員の行動に「ここまで職務外で手助けをしていたのかと驚いている」と述べた。