多気ヴィソンが部分開業 国内最大級リゾート、コロナ後へ布石 三重

【買い物や飲食が楽しめるマルシェヴィソン=多気町ヴィソンで】

【多気郡】国内最大級の商業リゾート施設「VISON(ヴィソン)」が先月29日、三重県多気町に部分開業した。伊勢自動車道上りから施設に直結する「多気ヴィソンスマートインターチェンジ(SIC)」も同日開通した。県の新型コロナウイルス緊急警戒宣言(5月11日まで)下の厳しい船出となったが、ホテルを含む7月のグランドオープンまで開業を3期に分け、国家戦略特区のスーパーシティ構想に取り組み、コロナ後へ布石を打っている。

事業主体はアクアイグニス、イオンタウン、ファーストブラザーズ、ロート製薬の4社でつくる合同会社「三重故郷創生プロジェクト」。

伊勢、紀勢両自動車道が交わる勢和多気ジャンクション近くの山あい約119ヘクタールを開発した。東京ドーム24個分に相当する広大な敷地に展開する。

全68店舗のうち今回は産直市場「マルシェヴィソン」15店と、洋菓子とパンの「スイーツヴィレッジ」2店、猿田彦珈琲(コーヒー)の計18店が開店。産直市場には地域の生産者が車で乗り入れ荷台で販売する「軽トラマルシェ」や松阪牛の精肉店、海女小屋風の店舗が並び、特産品を購入したり料理を楽しめる。

SDGs(持続可能な開発目標)を意識し、市場で余った食材は施設内の飲食店で再利用し、食品ロス削減に力を入れる。地域の林業を支えるため建物に木材をふんだんに使った。

今後は6月5日に温浴施設など6店が営業する第2期を経て、7月20日に約200室の宿泊施設や食エリアの44施設が加わり、全面開業する。

運営会社「ヴィソン多気」の立花哲也社長は「『地域と共に』がコンセプト」と述べ、「年間800万人にも上ると言われる伊勢神宮への参拝客はほぼ日帰り。県中南部の観光シティバリューを高め、エリアで5千室あると言われる宿泊施設の稼働率を上げていきたい」と抱負を語る。

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最先端技術を活用するスーパーシティは内閣府が進める国家戦略特区。同町と大台、明和、度会、大紀、紀北の6町で申請し、民間27社と連携して取り組む。

全国初のSIC直結民間施設としてスーパーシティのスタートを切った。広い施設内を巡る自動運転バスや、個人の顔を自動で識別し買い物の決済をするサービスなどを目指す。

大日本印刷モビリティ事業部の椎名隆之事業企画室長は「ヴィソンを拠点に顔認証や自動運転のテクノロジーを使って地域課題を解決していきたい」と意気込んでいる。